第466話  下等ゲーム

全ての始まりはジョブ場の出退勤表が新しくなったことであった。
2月24日、この日事務の都合で出退勤表が新しくなるというお達しがあった。
それに伴い2月22日から24日の出退勤状況を新出退勤表に書き写した。

異変が起きていることに気づいたのが、同月26日金曜日のことであった。



加藤さんだけ出退勤表が変わった事に気づいていない。
業務連絡が行き届いていないのだろうか。
だけどなんで気づかないのだろう、みんな書くのやめているのに。
わたしたちの部署の社員の高木が申し訳なさそうに言った。

「加藤さん毎日3時あがりなので業務連絡忘れてました・・・明日言います」

わたしは憤りを覚えた。
オマエは何を言っているのだ。
わたしは憤りを込めてこう言った。


「バカ、もう少し様子を見んぞ、あいつバカだからいつまでも書き続けちゃうだろうし」



(色と形と素材が嫌いです)


こうして下等ゲームが幕を開けた。


ルールは簡単。
出退勤表が変わっていることに加藤さんがいつ気がつくかを予想するだけ。
掛け金は一律500円。
エントリーしたのは高木(チビ)吉田(バカ)松井(オレ)木村(exケツ)。
吉田は29日の月曜日に賭けた。
まだ加藤さんのバカをわかってねえようだ。
高木は3月1日の火曜日に賭けた。
いい線だが、まだ甘い。
わたしは、冒険に出た。3月3日木曜。
火曜日水曜日木曜日、このあたりがk・・・・


「加藤さんを見くびるんじゃねえ!」



(ひぃっ、化け物!)

声を上げたのは木村さんだった。
「おめえらはまだまだ加藤さんの事をわかっていねえようだな」



「あのバカ2段目までいくぞ」


と、申しますと・・・?

「9日だよ!3月9日!」


(ひぃっ、化け物!!)

ザワっザワっザワっザワっザワっザワっザワっザワっザワっ

木村さんがあまりにも男を見せてきたので、
3月9日以降、つまり2段目に突入した時点で木村さんの勝ちとすることが決まった。
いくらなんでも、いくら加藤さんでもそこまでバカじゃねえだろう、
高木SAY(チビは言った)


「・・・3月18日まで、つまり最後まで気づかなかったらどうしましょう・・・」



・・・それはもう、加藤さんの勝ちだろう



※新ルール
3月18日まで気づかなかったら(アガリ)加藤さんの勝ち。
加藤さんにみんなで1000円払う。
あと『9:00〜15:00』っていうハンコを作って贈呈。




続く!!