第469話 昔の話

先日、友人の誕生日イベントに出演した。
それに伴い昔話を思い出したので記そうと思う。
友人というのは絶世のブスにして生粋のバカである十三の狂犬こと、かをりブギーである。



(わいがかをりちゃんや)


かをりとの付き合いも長くなった。
お互い19の頃からの付き合いだ。
そんなかをりと出会ったくらいの時の話をしようと思う。
あの頃、わたしたちの中でクルマで遠足に行くのが流行っていた。
アニメーションズ(というバンド)と仲良くなったくらいの時期で奇妙くんや上田くんもともよく一緒に遠足に行ったものだ。
鳥取砂丘、香川うどんツアー、竹田城雲海、丹波篠山などなど・・・。

その日の目的地は奈良県吉野山
ナシ狩りツアーであった。
奇妙くん、上田くん、圭太郎、しまださん、こんどうさん、そしてわたしといった、いつものメンバーである。
この日はかをりは誘われてなかった。
もちろん他意があったわけではない。
ものにはキャパというものがあり、もちろん車も例外ではない。
6人乗りなのだ。
計画を練っていた時にかをりがいなかった、ただそれだけのことである。
だが、やはりというかなんというか、ナシ狩りツアーの事を知ったかをりは駄々をこねる。
「わたしも行きたい」と。
しかし、ものにはキャパというものがある。車も然りだ。
すねるかをりをよそ目に今回は6人でナシ狩りツアーを決行した。


ナシ狩りは無事終了し、わたしの実家のある長岡京(その頃もちろん圭太郎もわたしも実家住まいである)で打ち上げをすることになった。
焼肉を食べ、もう少し飲みたかったので実家で飲みなおすことになった。
家の前で圭太郎がつぶやいた。


「ちゅごい、ぃにゃにゃにょかんがちゅる・・・(すごい、嫌な予感がする)」


曰く、なぜか二階の我が部屋に電気がついている。
いやいや、出るときに消し忘れてきたんじゃないの?
曰く、自転車が不自然な倒れ方をしている。
いやいや、風でしょう?
曰く・・・


やめてくれ!おれも嫌な予感がしてるねん!




家に帰るとかをりが二階でナシをかじっていました。


どうゆうことやねん・・・
おかんとおばあちゃんがいてる実家に「おじゃましまーす」て言うて入って?
「キッチンかりまーす」言うてナシむいて?
ひとりで?


なにやってんの?




「オレも誘わんかい、オレもナシ好きやっちゅうねん」


いや、なっ、かをり?ナシ好きなやつ全員連れていくこととか無理やん?
友達全員誘ってるわけでもないしさ。
あと、なにより一人称がおかしいぞ。

昔の話だ。