第127話 告白

先日、中学の同窓会に行ってきた。
とても懐かしくて少し甘酸っぱいようなそんなひと時がボク達を包んでいた。
思い出話にも花が咲き、酒も進む。
恩師たちの登場にも歓声が。
そんな中、A君がボクの前にやってきた。
A君は小学校からの同級生で少し・・・というか随分変わった少年だった。
名探偵コナンのコスプレで中学校に登校してくるヤツなんて彼くらいのもんだ。
もちろん変声器機能のついた蝶ネクタイもつけている。
A君にしか反応しない変声器だったけど。

「なめんなよ・・・オレは探偵だぜ?蘭の事ぐらい・・・声聞きゃわかるさ・・・」
「なめんなよ・・・オレは探偵だぜ?蘭の事ぐらい・・・声聞きゃわかるさ・・・」
「なめんなよ・・・オレは探偵だぜ?蘭の事ぐらい・・・声聞きゃわかるさ・・・」

って言いながら素振りを続けるA君。
夕陽が沈んでしまった薄暗い校庭に響くバットの音。

江戸川コナン・・・探偵さ」
ビュン!
江戸川コナン・・・探偵さ」
ビュン!
江戸川コナン・・・探偵さ」
ビュン!

懐かしいなぁ、A君!どないしたん?
少しくちびるを歪ませながら彼はこう言ったんだ。

「オレ・・・知的障害があるんだ、みんなには言ってなかったけど・・・」

重い。
とっても重い。
そして哀しい。
こんなにも哀しみに満ちた告白。
ボクはA君の目をまっすぐ見つめながらこう言ったんだ。

知ってたで。

いや、だってだいぶクセがあったから!
二次会いこ!二次会!