第136話 オカマ

日々心がけているわけです。
オカマたらざるべく。
お風呂の温度は43℃に設定してますし、
どんだけ疲れてて甘いお酒飲みたいなぁって時でも一杯目は必ずビールですし、
電車の乗り換えはスムーズにしますし、
男らしさをなるべく全面に押し出していってるつもりです。
ただ、男っていう生き物はどこかオカマの要素も持ち合わせてしまってるわけでして。
上田くんなんかはイヤな事があったりイライラする事があったりすると新しい靴を買ってしまうっていう・・・
あの、言いづらいんですけども・・・
とっても言いづらいんですけども・・・

完全なるオカマですわ。

もう完全にオカマ。
どこのOLやねん。

(ほんとに課長も副部長もわかってない!ほんと頭にきちゃう!アレは五十嵐さんのミスじゃないの!それなのに「上田〜、オマエはろくに配達もできないのか〜、オマエみたいなやつは帰って母ちゃんのお乳でも吸ってな!」ですって!何?そのアメリカの保安官みたいな言い草!んん〜、ほんと頭にきちゃう!今日は買い物でもして気晴らしヨ!新しいハイヒールが欲しかったのよね、ふんふ〜ん♪)

ってか?
もう完全にオカマやないか!
靴ってゆうか口調がオカマそのものやし、
口調ってゆうかハイヒールって言うてもうてるし!

上田、アウト〜


(アウト〜)

いや、ホンマに気をつけないといかんのです、
ボクみたいな男らしい男でもです、
ひょっこりオカマのやつが顔を出しかねない、
こないだも危うく新しい弁当箱買いかけてまいましたし、
弁当箱なんてひとつでいいんです、
その日の気分で「今日はこのお弁当箱♪」


(今日はオレンジぴょんぴょん)

もう、言い訳できませんよ、
オカマ以外の何者でもないです。
そこは耐えましたね、
見事耐えました。

アカン、アカンぞ、オレ!
オレには青のやつがあるやないか、
フタは半透明で一見タッパに見える武骨なやつや、
タッパと思いきや、中はご飯ルームとおかずルームがわかれている正真正銘の弁当箱、
オレにはこれがあるやないか、
これで充分やないか、
ご飯部屋とおかず部屋のしきいは取り外し可能の移動式や、
せやから「今日は仕事ハードそうだからご飯多い目にするのよ」とか「昨日の晩御飯が余っちゃったからおかずが多い日なのよ」とかできるんや、
これで別容器のデザート部屋が完備されたら言うことなしやがな、
「今日のデザート小部屋はマスカット、神林さんのイチゴと交換する約束なのよ」とかできたら言うことなしやがな、
ほな次の休日に東急ハンズにでも繰り出そかいな、デザート小部屋を調達や・・・

はっ!

途中からおかしなった!
オカマやがな、
オカマが顔を現してきやがった!
結構早い段階で出てきよった、
なんやねん、デザート小部屋て、
あかんあかん、あかんぞ、松井!
そうじゃない、
だいたい朝からチマチマと弁当作ってる感じがオカマやねん、
朝はギリギリまで寝てやな、
昼飯なぞコンビニとかですませんかい!
そやな〜、ほな今日は何にしよかな、
あっ、ランチパック新しいの出てるやん!
う〜ん、でもやっぱり結局玉子とツナのやつになっちゃうんだよねっ(ペロッ)
これだけやったら足りなさそうやから・・・メロンパンメロンパンっと・・・メロンパンにカフェオレは欠かせないっしょ、カフェオレカフェオレっと・・・

はっ!

どっか行け〜!
オカマどっか行け〜!
オレん中のオカマどっか行け〜!