第150話 マイマイズの事

4月1日マイマイズが活動を休止した。
エイプリルフールの嘘だったらどれほど良かっただろうか。
悲しい噂は嘘だと言ってくれ。

マイマイ
ギターボーカルの東

ベースのタイチ

ドラムのマーシー

二人のコジキと一頭のチンパンジーで構成されたバンド。
マイマイズとしての活動は1年と4ヶ月ほどだったんじゃないだろうか。
しかし彼らとはよく共演もしたし、
飲み会なんかでもよく顔を合わせた。
東は何度かボクの実家にも遊びにきた。
その際気になったのが何故か東、ボクのオトンに対してむっちゃタメ口なんですよね、

「なぁ、ビール持ってきてや」
「これ、オトンが作ったん?」
「なぁ、ビール持ってきてや」
「汚い家やな、ちゃんと掃除しいや」
「なぁ、ビール持ってきてや」

注意したんですよね、
やっぱり気になるから、
(あれ?アホなんかな?)って思うじゃないですか、
一応ボク、パイセン(先輩)でもあるんで、
地元のパイセン(先輩)でもあるんで、
パイセン(先輩)のオトンつかまえてタメ口はよくないぞ、つって、
いくら尊敬できないオッサンでもパイセン(先輩)の父親だぞ、つって、
タメ口がどうのって言うよりビールは自分で取りにいけよ、つって、
ほな東、渋々ビール自分で取りにいったんすよね、
(いやいや、なんで渋々やねん)
東、冷蔵庫開けた瞬間、

くさっ・・・

「臭っ」て言うた!
「臭」?「草」じゃなくて「臭」?
人んちの冷蔵庫開けて一番言うたらあかん言葉教えてあげよか、

それは、「くさっ」やで!

マイマイズと和歌山にライブをしに行ったことがある。
ライブハウスの近くに韓国のお母さん(オモニ)がやっている飲み屋があったのでライブの前に飲みにいった。
普段、地元のオッサンしか来ないらしく、僕らが行ったらオモニはすごく歓迎してくれた。
そしてキムチをもりもり出してくれた。
オモニ自慢のお手製キムチだ。
やっぱり嬉しいもんだ、 知らない土地で知らない人に優しくされたら本当に嬉しいもんだ、
韓国の方にとってキム・・・

「まずっ!」

滅びろ!マーシー

まずい言うな!
マーシー、まずい言うな!
オモニ自慢のお手製キムチや!
なんて無礼なやつや、
完全に失礼をこじらせてもうとる、
耐えろ!
例えまずくてもソコは耐えろ!
それが大人のなんたるかや!
そしてマイマイズは出番が近くなったので一足先に店をあとにした。
一円も払わずに。

マイマイズの活動休止ライブの日に一曲歌ってくれと、タイチにたのまれた。
「漫画のうた練習するから一緒にやってや!」
って言うてくれた。
凄い嬉しかった。
こんなマイマイズにとって特別で大切な日に誘ってくれてホンマに嬉しかった。
そして本番、その日がきた。
そしてステージに呼ばれた。
そこには東が一人、アコースティックギターを持って立っていた。

練習してこいや!

なんや、めんどくさなったか!
そうゆう、態度か!
ほんでボクのあとにもゲストが何人か登場したけども、
全員バンドセットやがな!
オレの歌も練習してこいよ、
オレのいい歌、練習してこいよ!


マイマイズ、最高のライブをありがとう!


マイマイマイマイマイマイズ ♪
ボクの好きなマイマイズ♪

マイマイマイマイマイマイズ♪
キミの好きなマイマイズ♪

ボクの好きなマイマイズが終わる♪
今日でお別れさ♪
ほんとに大好きだったのに終わってしまう♪