第168話 たつ兄

たつ兄(たつにぃ)はなんであんなにいい人なんだろう。
たつ兄ほど友達を大事にする人をボクは知らない。
こんなことがあった。
友人が田舎の香川に帰ることになりお別れ会が開かれた。
その日たつ兄は神戸で用事があったのだが、
夜の23時くらいに用事が終わってから京都までやってきたのだ。

なんと自転車で。

忘れ物なんかも届けてくれる。
京都から大阪まで友人の忘れ物を届けたこともある。

なんと自転車で。

居酒屋で食べた料理を「美味しい」と言ったら
松井家でパーティーをしたときにその料理にかかっていたソースを自分で作って持ってきてくれた。

なんと自転車で。

たつ兄の住む豊中からボクの実家の長岡京まで、
自転車でおそらく2時間ほど。
夜中にソースを持って。
みなさんもお気づきだろう。

軽い異常者だ。

たつ兄のいい人っぷりはツイッターの呟きにも顕著に現れる。
いくつか紹介したいと思う。
(ちなみに一日一回アンパンマンBOTリツイートしてます)
曰く、

「それでもペットを捨てる人は後を絶たない。 日本の動物に対しての法律がゆる過ぎる。特に深夜も空いてるペットショップはひどい。モノ扱い。 イギリスはペットショップがなくブリーダーからしか、飼えないようになっている。日本もそうなって欲しい。たつを。」

曰く、

「皆優しくしてくれる。その優しさに甘えるだけじゃなく、僕なりに感謝の気持ちを返していきたいと強く思う。改めてありがとう。これからもよろしくね!たつを。」

曰く、

「出会いは奇跡。でも、出会えたあと、仲良くなれるのはもっともっと奇跡。 だから、まず出会えたことに、そして今自分の周りにいてくれる人に心から、感謝。名前1人ずつ言いたいぐらい。ホンマに大切にしたい。皆大好きです。たつを。」

曰く、

「あなたの家族の中に寂しいと感じている人はいませんか。ちょっとほほえむだけでいいのです。新聞を読んであげると喜ぶ目の不自由な人も、買い物をしてあげると喜ぶ重い病気の母親もいるでしょう、家族や隣人、身近なところから愛は始まるのです。たつを。」

生き仏。

仏の域に達してはいまいか?
枚挙に暇がない。
日々感謝、たつを。
何が彼をそこまで善行に駆り立てるのだ。
前世の罪滅ぼしをしているとしか思えない。
どんな悪党やったんや、前世。

ある日ボクの自転車がパンクした。
たつ兄はその日の深夜、家まできてくれて(もちろん自転車で)
パンクを直し帰っていた。
本当になんていい人なんだろう。
翌日、自転車で出かける用事があったので本当に助かった。
ありがとう、たつ兄。
翌日、自転車にまたがった。

パンクしていた。

何しに来たん?
昨日、もう眠たかってんで。
なんやったら一回断ったやん、もう寝るからって、
明日自転車屋さん持っていくって。
睡眠のジャマしただけやん!
睡眠のジャマして帰っていった形やん!
なんなん、全然たつ兄ちゃうわ、

末っ子のすわる君やわ。