第219話 ハッピーな昼下がりに

ハッピー(という居酒屋)で田渕徹さん(という歌手)とナオユキさん(という芸人)のツーマンショーが開催されたので行ってきました。


(ナオユキさん)

(田淵徹さん)

日曜日の昼下がり。
朝からの雨もやみ、
会場のハッピーにはゴザが敷かれ開演前から宴会モード。
子供連れのお客さんもいてとてもいい休日の午後。
悪い予感のかけらもなかった。
そう、あの男が現れるまでは。

「みっちゃ〜ん、今日ツケでたのむわ〜、入場料も払われへんわ〜!」


(身体のバランスがすごいな)

キチュウだ。

今日の入場料は500円。
500円も払われへん男がなんの用やねん。

「おっ、松井くん、オレのハナシしようぜ〜」


(肩幅と顔の大きさのバランスがおかしいやん)

・・・オレの話をしようぜ?

「ってゆうか、松井!
こないだの日記なんやねん!
オレの主な仕事がコインランドリー開けるだけってやつ、
誤解を招くような事を書くなよ、
ちゃうがな!

コインランドリー開けるのはお父ちゃんの仕事や!

朝早いから、開けるのはお父ちゃんにやってもろてるんやん、
オレは閉める方や!
ホンマ、風評被害や、風評被害
あとは、自転車の整理とかせなあかんしやな。
色々あんのや、色々!
そんな事はどうでもエエねん、ほんで?今日は何の話する?
オレの何の話する?
・・・おっ、サガラやんけ!」

キチュウさんが誰にも頼まれていないのに自分の話を始めていると、
サガラくん(というロックギタリスト)がやってきた。
サガラくんはキチュウさんと地元が同じで高校も一緒、
キチュウさんのひとつ後輩なのだ。

「おい、サガラ、オレって有名やったらしいやん、
オレは高校時代、オマエみたいなもんの事はひとつたりとも知らへんかったけどやな、
サガラの『サ』の字も知らへんかったけどやな、
オマエはオレの事知ってたらしいなぁ、
オマエもアレか、文化祭で見て憧れたクチか?
あの文化祭は伝説なってるもんなぁ、
文化祭でみんなバンドやってんけどオレだけ弾き語りや!!
でもチョー受けて会場もパンパンや、
食堂のオバチャンも見に来てたからなぁ!
おい、サガラ!やっぱりオレって有名やったか!」

サガラSAY(サガラは言った)

キッカワの物真似するやつがおるってゆうのを知ってただけや!

トゥナイっっ!!

「キチュウの事を知ってたってゆうか、
キチュウが有名やったってゆうか、
キッカワの物真似してるやつがおるのを知っとって、
後々考えたら、そいつがキチュウやっただけや!」

・・・そうやったん?


(トゥナイっ・・・へへっ)