第228話 フォレストガンプの人

電車に揺られていた。
阪急電車京都線
梅田と京都河原町を結ぶ電車。
日曜日の昼下がり、わたしは電車に揺られていた。
梅田を出て、十三、淡路と電車は進む。
そして次の停車駅の茨木市であった。
一人の巨漢が乗車してきた。
年のころは30代中ごろであろうか。
彼は乗車してすかさず言った。

「桂だじょ!桂で降りるんだな〜!」

そう、『フォレストガンプの人』であった。

日本語で言うと『山下清の人』である。
フォレストガンプの人はウエストポーチを服の上からしている。
どういったことか、必ずだ。

「将来的には坂のある町にすみたいんだな〜」

思ったことが全部口にでてしまうのも特徴のひとつだ。
電車でファンタジーの人と同じ車両になるのは楽しい。
ざっくり言うところのパーティグッズ的な。
チラシ寿司とかと同じ仲間だと思う。
もう、なんだかすごいことになっている。
座席に座っては揺れる、そして笑う。

「掛布の通り道!掛布の通り道!」


(掛布の通り道)

突然の新ギャグ披露。

水瀬過ぎたあたりで突然の新作発表。
もうやりたい放題だ。
間違い探しは得意な方なわけですが、わたし。
今日の間違い探しははすごい簡単。
すごいなぁ。
どれだけ面白いことを言おうとしてもこの人たちには絶対に勝てないもんな。
瞬発力がすごい。
なんやねん、『掛布の通り道』って。
ある域まで達した人のもつエネルギー。

もう、これはもはやジブリの域。

これは余談ですが、
どの町にも女の人の格好をしたおじさんがいると思うんですが、
玉造にいる『ソレ』はなぜかボクに挨拶をしてくれます。
鳥の言葉で。

明日からはボクも、もう少し自由に生きてみようと思います。