第229話 スマートホン顛末記

ここは、ソフトバンク阿波座店。
今日、オレは男になる。
今まで使っていた携帯電話(とっても旧式)が水没のために使えなくなった。
思えばこいつとの付き合いも長かった。
周りを見渡せばみんなスマートホンやアイホンになっていた。
酔っぱらって携帯電話を無くす度に機種変更を目論んだものであった。
しかしいつだってこいつは帰ってきた。
そして先日、水没のためこいつはただの黒い物体になってしまった。
そう、折りたたみ式の。
時は来た。
オレは今日生まれ変わる、スマートな男に。

「そうですねぇ、今なら、この5(ファイブ)を使っていただくと実質無料で機種変更させていただけますが・・・」

実質無料・・・

実質無料・・・甘美な響きである。
しかし『実質無料』などと、あえてわざわざ『実質』と言ってしまうところをみると、
本当のところは無料ではないのだろう。
ふんわり、やんわり、はんなりと『実質無料』などと言ってきたけれど、
この京都人を前に、はんなりと『実質無料』などと言ってきたけれど、
本当のところは無料で機種変更などできないにちがいない。
話を聞くと案の定そうであった。

実質無料の栄誉は、2年間この携帯電話を使い切ったものにだけ与えられる。
2年以内に何らかの理由で機種変更を余儀なくされた場合、
その機種変更代金は容赦なく加算される。
はんなりと『実質無料』などと言ってみたところで京都人には通用しないのだよ。
そんな『はんなり』は京都人には通用しない!

この実質京都人にはな!

そう、わたしも実質京都人、
決して純正な京都人とは言えない。
あぁ、そうさ、生まれも育ちも京都府長岡京市
阪急電車で京都河原町駅まで実質15分。
実質15分と言ってみても、
電車に乗っているのは15分足らずだが、
家から駅まで歩くのとか駅での待ち時間などを考えると30分からかかってしまう。
逆に阪急電車で大阪梅田まで電車に揺られること30分。
大阪まで実質30分。
しかし、自転車で大阪との県境の島本町まで15分でいけてしまう。
そんな『実質京都人』のわたしだが、
ソフトバンク阿波座店のスタッフなどがはんなり使う『実質無料』の罠にかかりなどはしない!

長岡京をなめるな!

そう、なでしこジャパン海堀あゆみをうんだ長岡京
小学校も三個下で一緒!!
高校時代のアルバイトもたぶん一緒やった!!!
しかし、これは余談だ!!!!!
しかし、この人すごいゴールキーパー顔!!!!!!!
しかし、これはもっと余談だ!!!!!!!!!
目が小さくてケツがでかい!!!!!!!!
なんかごめん!!!!!!!!!!
以上、余談!!!!

2年間・・・。
2年後わたしも30歳。
よりスマートな男になっているだろうことはたやすく想像できる。
なんだか2年間使える気がしてきた。
しかもこの5(ファイブ)は防水機能もついてるし、
落とした時におよその場所を調べることもできる。
何よりわたし、今お金がないってばよ!
わたしはこうして手に入れた。
わたしはこうして5(ファイブ)を手に入れたのだ。

パントン5を。

え?パントン・・・5・・?

え?これアイホンじゃないんすか?
アイホン5じゃないんすか?
なんすか、パ・・・ントン?
パントンってなんすか?


(なに?パントン?)

続く!!・・・のか??