第286話 新人王 其の四  『新人王のスタートライン』

緒方(仮名)、わかるか?
この前も言うたことやんか、
この作業のことは、こないだもその前も何回も言うてるはずやねん、
それでな、おれ聞いてんねんやん、
この作業初めてちゃうやろ?
こないだも教えたやろ?って、
そのな、おれの質問に対してな、
「初めてなんですか?教えてもらったんですかね?」
って質問してくるなって言うてるねん、
質問で返してくるな、って言うてるねん、
質問に対して質問で返してくるなって言うてるねん、
わかる?
覚えてないなら、覚えてませんでエエから、
それやったらまた教えるねんから、
自分のことやんか、
自分が聞いたか聞いてへんのかやんか、
覚えてるのか、覚えてへn・・・

鼻毛出てる!


(出てる〜)

鼻毛が出ている!
緒方、鼻毛が出てしまっている!
あかんわ、もうあかんやん、
怒られてる時に鼻毛出たらもうあかんやん!
どっちかにせえや!
怒られるのか、鼻毛でるのか、どっちかにせえ!

緒方SAY(緒方は言った)

「・・・鼻毛しまって、怒られます・・・?」


(クルっ!)

違う〜!

怒られへんようにするんや!
なんでやねん、
なんで鼻毛しまってまで怒られるねん!
(そして、また質問かい!)
鼻毛しまって、さぁどうぞ?

違う〜!


(クルっ!)

鼻毛出ててもエエから、
もう怒られるようなことをせえへんようにせえよ!
いや、そのうえで鼻毛がしまえたら言うことなしやけども。
そこを目指してほしいけども。
そこでやっとスタートラインやけども。