第二十六話 蒼い夏

今年の夏はホンマに自由です。
仕事も宿題もない夏休み、バツグンだね!

中学二年生の夏。
宿題も中間テストもあったけど最高やったあの夏。
教育実習の先生が来たあの夏。
サワダ先生の白いブラウスから見える黒いブラジャー。
ボクたちの脳ミソはチンポコの形をしていた。
二の腕ってオッパイと同じ柔らかさらしいでって言うて、
どうにかして二の腕でチンコを挟もうとするんやけども、
頑張れば頑張るほど二の腕に力入って、
カッチカチの二の腕。
自分のチンコを自分で舐めようとして舌の裏がつったあの夏。
不良の先輩の妹の友達に変なあだ名つけていじりまくっとったら、
放課後、不良の先輩に校舎の裏に呼び出されたあの夏。

「オマエら、ここでオレにボコボコにされんのと、オレに変なあだ名つけられんのとドッチがエエねん!」

みんな思った。
(変なあだ名の方で!)って。
変なあだ名つけてください、ボコボコにしないでくださいって。
圭太郎だけ言うた。
即答やった。
半笑いやった。

「変なあだ名の方で!」

圭太郎だけボコボコにされた。
あの夏、みんな14歳やった。