第三十七話 星をください

星を見てモノ思いにふける。
そんな夜もありますよね。
今見ている星は何千年も昔に輝いていた星なんだ。
古代の恋人たちもこうやって星を見ては語らいあってたんでしょうね。
ロマンチックな夜の恋人たち。

「あっ、アレなんだか蟹みたいな形をしているね」
「あっ、あれなんて仔牛みたい」
「ほら、あそこにウミヘビ」

こんな風に。
こんな風にいちゃこいてたんでしょうね。
ちょっと空を見上げてみましょかね。

カニ座』

どのへんがカニ・・・?
ボクの知ってるカニこんなんちゃう〜、
え?なになに?

なるほど、なるほど、横に見るわけね・・・
ずたぼろやん!
四角が一つと線三本でカニを表現するん?
むちゃくちゃやな!
なに?今見えてないだけ?
古代、恋人たちがカニ座と名付けた時にはもっと星があったの?
滅んでしまったの?
実は違うんですね。
ボク、調べました、カニ座の真実を。
実はこのカニにはこんな謂われがあるんです。

『日頃の恩返しに自分を犠牲にしてヘラクレスにふみつぶされた化けガニ』(宇宙百科事典)

お化けやった!
ヘラクレス〜!やり過ぎやて〜!
ボッコボコにされましたね、カニ座のやつ。
ほな、これはカニ座と謂うにはちょっと語弊ありますよね。
子どもたちにも誤解をあたえかねない。
ヘラクレスに負けガニ座』
もしくは、『ふみつぶされガニ座』
妥協しても『化けガニ座』と謂わなければならない、と思うんですが、
松井くん、こう思うんですが。(未来の子供たち、ひいては古代の恋人たちの名誉のためにも)
しかしこのカニは普段どんな恩を受けてたんですかね。
ちょっと重たいことないっすか。
鶴でもここまでしませんよ。

しかし古代の恋人たちは夜空を見上げて88も星座つくっとるんですわ。(あと12個頑張れへんかった?)
これはロマンチックってゆうかね、
ボクに言わせたらこんなもんノイローゼの一種ですよ!
ほんでまたなめとんか!言う星座ありますわ、

『ほ座』

なめとんか!
上の方はどう言い訳スンねん!
真ん中も〜!グシャっとなりすぎや!
あかん!次!

『さんかく座』

ちゃうやん、ちゃうやん、
その三角を何かに見立てんかい!
そうゆう企画やんか、
そうゆう約束やったやん、
あかん!次!

ペガスス座

ペガサスやん。
なに?噛んだ?
言い訳すな!あかん!次!

『テーブルさん座』

なんで、さん付けなん?
えらいん?
ほんでそんなテーブルの上に物置かれへんわ!
物全部落ちてくるわ!
あかん!次!

『みなみのさんかく座』

だからソレはあかんねんて、
何かに見立てないと成立せえへんの!
ほんで星四個あるやん!

こんなんロマンチックでもなんでもないわ。

古代の男「あっ、あれ『ほ』に見えへん?」
古代の女「え?なになに?」
古代の男「いや、だから『ほ』やて」
古代の女「なに?なに言うてるか全くわからへんねんけど」
古代の男「『ほ』やん!なんでピンとけえへんねん!考えられへん!船の帆やん!オレが『ほ』って言うたら船の帆やろ、ピンとこいよ!ブス!」
古代の女「わからへんわ!あんた漁師の子か知らんけど、いきなり『ほ』に見えへん?言われて誰が『帆』や思うんよ!・・・ってゆうか、見えへんねん!」
古代の男「気つよぉ・・・そうゆうとこやぞ!」
古代の女「何がよ!・・・ってゆうか、かわいいわ!」
古代の男「ブスじゃ!時間差で反論してくんなや!」

も〜、仲良うしてや〜。