第三十八話 お父さんの背中

一人前の男たるものお気に入りのエロサイトの一つや二つ持ってると思うんですけども、
このお気に入りを見つけるまでっていうのは失敗の連続というか、
ワンクリック詐欺との闘いの歴史ですよね。
ワンクリック詐欺
ご存知や思うんですけども、
エロい動画見よう思ってクリックするやないすっか、
ほな画面に、
「入会ありがとうございます。期日までに入会金○○○○円を払ってください」
的なメッセージがあらわれるんですよ。
もうボクなんていっつもお世話になってる得意先があるんで、
そんな事故はないんですけども、
初めてその恐るべき手口を目の当たりにしたときはホンマにビビりました。

その日もうだるような暑い夜でした。
自宅の我が部屋で(さてモゾモゾすっか!)っと、
パソコンでエロ動画を探していたんですね。
スケベなトムソーヤ、夜の扉を開けにいっとったんです。
左手にマウス、右手にちんぽこ。
(右手でマウス使ってスムーズにパソコンを操るのか、ちんぽこへのよりよいモゾモゾを優先するのか、それは人それぞれです)
ほな、アレですわ、
例の悪の組織の罠にひっかかってしまったわけですやん。

「入会ありがとうございます。期日までに入会金○○○○円を払ってください」

何をしてもこのメッセージが消えないんですよ。
汗だくになりながら(ちんぽこ丸出しで)色々試みるも完全にフリーズしてもうとる。
ボクの思考もフリーズ寸前ですよ。
もう最後の手段ですわ、
下で寝ているお父さん起こしに行きましたよ。
「お父さん、エライことになっちまった。」つって。
ほなお父さん眠い目こすってパソコンを強制終了。
「こんなもん、こうしたらいいんや!こんなことでいちいち人を起こすなよ!」
つって。
つって部屋を出ていく後姿で、

「そんなもんな、お父さんはこんなこと二回や三回ちゃうねんから・・・」

背中がせまっ・・・
この背中、せまっ・・・

「請求書きても無視したらエエんやからな、わし何枚きたことか・・・家建つわ・・・

この背中見て大きなられへんわ!