第四十一話 父親の威厳

台風過ぎ去って夏休みですか、ちびっこたちは。
夏休みで思い出す事が皆さんもいくつかあると思うんですが、
ボクの夏休みの強烈な思い出はアレですわ。
オトンがオカンの実家でベロベロになって、
フルチンになってもうて、
オカンの妹にパンツ持って追いかけられてるっていう悲しい思い出ですわ。
嫁の実家でベロベロになって、
お風呂入ろう思ったら水風呂やって、
「風呂、水やないか!」言うてフルチンで出てきて、
嫁の妹に「信也さん、パンツ!パンツ!信也さん、パンツ!」言うてオトンが追いかけられてるっていう。
忌まわしい記憶。

尊敬できませんよね、
「お父さん」っていうだけでは尊敬できひん、
「お父さん」である重み以上に、
もうひとつ重い何かがジャマをしてます。
尊敬ってやつを。

エロ本をね、小学生の息子の部屋に隠しますか?
普通、隠しませんよね、
息子がベースボールマガジンのバックナンバーしまってる棚に我がエロ本を隠しますか?
いやいや、オカンにはバレへんかもしれへんけど。
息子にバレバレやんか。
尊敬される気ないやんか。

どうゆう気持ちになります?
中学んときですかね、
エロ本がたまってきたんで、
近所の駐車場にゴッソリ捨てに行ったんですわ、エロ本。
ある日ね、オトンの部屋からこないだ捨てたハズのエロ本が出てきたら、
どうゆう気持ちになります?

何を拾ってきとんねん、エロ本!
拾ってくんなよ、エロ本!
息子の捨てたエロ本を何拾ってきとんねん、エロ本!

しかも全部拾ってないとこを見るとチョイスしとるな・・・

何選んどんねん、エロ本!
息子の捨てたエロ本、何選んどんねん、エロ本!

威厳ってなんなんすかね、父親の。