第八十九話 給料日

今日はなんと給料日でした。
いいですね、給料日。
いい響きです。
10か月ぶりの給料日。
もう、ボクにはこうへんのとちゃうかな、
なんて思っていましたね。
まぁ、働いてませんでしたからね、
そんなもんきませんわな。

明日寿司食いに行きたいと思います。
いや、そんなん給料言うたかてスズメの涙ですよ、
スズメの涙・・・いや、アリの金玉みたいなもんですわ、
おこがましいですかね、
ボクみたいなもんが、
アリの金玉みたいな給料袋握りしめて寿司なんて・・・
ははっ、アリの金玉やて!
でも楽しみですわ!
このアリの金玉で寿司何貫いったろ!
ははっ!アリの金玉握って、何握ってもらお!ははっ!

やめて!

もうやめて!
もうやめてあげて!
松井くんこの1か月頑張ってたやん、
アリの金玉とか言ってあげんといて!
なんなの?アリの金玉て、
あるかないかもわからへん。
この1か月が報われへんやないの!
寿司食べたかていいやないの!
確かにアルバイトやし、
同い年のみなさんに比べたら月とすっぽん、ウンコとケーキや、
しかし頑張って稼いだお金やもん、
ボクは堂々と寿司屋行きますよ、
カエルの鼻くそみたいなもんですけど、
カエルの鼻くそみたいな給料ですけども、
ボクは堂々とカエルの鼻くそ携えて寿司屋に行きますよ!

鼻くそやめて!

カエルの鼻くそやめて!
そもそもカエルって鼻あるの?
あるかもわからへん鼻のクソってなんなの?
報われへん!
この1か月が報われへん!
寿司食べるよ、ボクは寿司を食べたいんや!
自分の稼いだお金で大好きな寿司を食べるんやもん、
美味しいに決まってますよ、
汗水流して稼いだお金やもん、そりゃ美味しいよ、
いや、汗水流して稼いだ言うてもあぶくですよ、
あぶく銭。
奇妙礼太郎の脳みそみたいなもんですけども、
奇妙礼太郎の脳みそみたいな給料ですけども、
ボクは美味しい寿司を食べますよ、
奇妙礼太郎の脳みそみたいな給料ですけど思う存分つかって・・・

ほぼないやん!

もうちょいあるやろ!
ボクの給料!
奇妙くんの脳みそみたいなもん、ないに等しいでしょ、
分類学上、植物らしいっすよ、
光合成できひん植物らしいっすよ。
報われたい!
1か月ブリブリ働いたんやもん、
アリの金玉とかカエルの鼻くそとか、ましてや奇妙くんの脳みそとか・・・

誰か〜!わらびもち持ってきてくれ〜!

こんな夜はプルップルのわらびもち食べて癒されたい。
そんな気持ちわかるでしょう。


奇妙礼太郎
(ほら、見て、全く何も考えてない顔やわ。しまりないな〜、ははっ、壊れた自動ドアみたいな顔してるわ)