第九十六話 諸熊三太夫

拝啓:これから自分の子供に名前をつける全ての親たちへ。

最近、色んな名前つけはりますよね、
ココアちゃん、ティアラちゃん、ソフィアちゃん等々。
かわいい名前ですねぇ。
しかしココアちゃんもいつまでもココアちゃいますからね、
いつの日か渋いほうじ茶みたいなオバハンになるんやから。
基本的にボクは英語的な名前、
外人っぽい名前つけるのは反対の立場ですね、
だいたいにして自分の名字が米田やったり平林やったり古内するのを忘れがちなんですよ、
名字がもっちゃりしてんのに名前だけハイカラにしてもアカンのですよ!
その点、あいつスゴいですわ、
いや、正確に言うとあいつの親。
速見もこみちの親。

もこみちて!

『もこ』はアカンねんて!
名前に『もこ』はアカンて言うたやん!
速見ってゆう日本の名字にしては珍しくなかなかシュっとした名字やのに、
もこみちて・・・思い切りましたよね。(もこみちやで)
まぁ、それはいいですわ、
大きなお世話ですわ、
ボクの話しましょ、
ボクは1人目は虎太郎って決めてるんですよね、
虎太郎って書いてコタロウくんね。
やっぱり日本人に生まれたんやからこうゆう古風な名前つけたいです。
ただ、女の子でも虎太郎ですからね。
決めてるんで、
1人目は虎太郎って。

男の子であってくれ〜!

切に願いますよね。
男の子であってくれって。
虎太郎って名づけられた女の子がどんな風に育つか考えたことあんのか!
ワンピースも着たい年頃や、
でも私虎太郎やしな・・・ってなるんちゃうんかい!
かわいそう、虎太郎かわいそう、
でもちょっと興味はある、
虎太郎って女の子がどんな風に育つのか。
でもイヤ、絶対イヤ、
自分の娘ではその成長過程見たくない!
イシバシヒロミの家庭あたりで見てみたい。(半笑いで)

親にもろた大切な名前やから言うていつまでも大事にする必要なんてないてすからね。
ボクの友達も改名した人いてますし。
将司ってやつなんですけどね、
将志に改名しましたからね。

意味ある・・・?

意味あった?
何が気にくわなかったんや?
まぁ、でも大人になったらあとは自己責任ですよね。
やはり周りはミュージシャンが多いんで、
1人で活動してる人は色んな名前(ステージネーム)つけてますよね、
そして、だいたいがよう思いついたな!ってゆう名前ですわ、
奇妙礼太郎とか原田茶飯事とかお米とかトンボとかジョニーとか・・・
正気やとは思われへん、正気の沙汰ではないですよ。
日本人やのにジョニーとか、トンボは昆虫やし、お米に至っては食べ物やからね!
奇妙礼太郎原田茶飯事はもうなんかわからへん)
まぁ、これらは奇跡的に浸透してるからいいです、
残念なのが星の王子さまたち(っていうバンド)のアントニオですよね、

誰も呼んでへんぞ〜!

誰も呼んでへん!
アントニオて言うてんの、アントニオ本人だけや、
なんやったらアントニオですらたまにアントニオて名乗り忘れるときがある。
まぁ、これも自己責任ですよね。
ボクも実は東京のあるバンドのバンド名とステージネームをつけてるんです。
NA!とぅるんとぅん!ってゆうバンド名で、
ステージネームが諸熊三太夫(もろくまさんだゆう)ってゆうんです。
25歳の女の子なんですけどね。
これは完全に責任取れない形なんですけどね。
どうかしてますよね、

諸熊三太夫ですよ。

25歳の女の子がですよ。
諸熊三太夫
断るのも勇気。