第111話 ホラー

世の中にはやらかす人間とやらかさへん人間がいてまして、
ゆりえブギーは完全に前者の方でして、
生粋のやらかし人間でして、
デリカシーってゆう概念が生まれつき欠落してるんでしょうね、
まぁ、まだ四つ足やしね、しゃぁないっちゃぁしゃぁないとは思うんですけど、
でもそれやったらジャングルで暮らすべきで、
人間のコミュニティに出てきてる以上は人間のなんたるかを身につけるべきやと思うんです。
まだ途中の段階(進化の)とはいえ、
ボクは大目に見る気なんざさらさらないので、
アカンことしたときはガッチリ鼻ビンタしたろうおもてます、
ガッチリ鼻ビンタしたろうおもてる所存であります。
こないだもですわ、
素敵な夫婦に対してですわ、
その夫婦は10年前にお付き合いされていて、
一度別れて10年ぶりに再会し、そして結婚されたそうなんです、
エエ話じゃないですか、
ロマンチックなエエ話じゃないですか、
そんな幸せな二人に対してあのゴリラは・・・

「10年間ちがう身体を触り続けて、結局この身体がよかったってか・・・ぐへへ」

金ヅチ持ってきてくれ〜!
誰か〜、大きめの金ヅチを用意してくれ〜!
どんだけ下衆いねん!
発想がどんだけ下衆いねん!
ゴリラ以外のなにものでもないわ!
このゴリラ、ホンマにどうしようもないゴリラでして、
なんとこの奥さんのお腹には新しい命が宿っていまして、
ゴリラの命とは比べ物にならないくらい尊い、新しい命が宿っていまして、
その新しい命の宿った妊婦さんの真隣であのゴリラは煙草をプッカプカ吸いまくっとんねん。
久々ですわ、あんな大きい声出したん。

タバコ!

(今まででイチバン大きな声を出したんは、アレですわ、随分前の話になるんですが、京都で飲んでる時ですわ、知らん人と相席になるタイプの飲み屋やったんですけど、隣の人が足をデ〜ン!ってボクらが飲んでるテーブルに乗せてきたんです。腹立つな〜、おもたんですけどここは穏やかに「足どけてもろていいですか?」言うてお願いしたんです。しかし、その人全く聞かないんです。「イヤや、なんで?楽やねん」はは〜ん、この人、困った人やなぁと合点はいったんですけど、やはり足が気になる。「わかりました、ボク、三秒目つむるんでその間に足どけといてください。1・2・3・ハイ!」言うて目あけたら、さっきまで片足乗っけてただけやのに、両足乗っけてやがったんです。そこでの「それ・・・逆にしんどいやろ!」が今まででイチバン大きな声ですね。が、これは余談)

わざわざ妊婦のとなりでなにをタバコをプッカプカさせとんねん、
(その10分前には外人のワインをこぼしてますからね、ボトルごと。外人、ワインこぼす、ボトル・・・インパクトは3つもいらんねん!)
ほんで一旦は猛反省しよるんです、
ごめん〜、見えてなかってん〜、ホンマごめん〜!
信じられへんのがまたタバコ吸いだしよるんです、
ものの3分くらいで。
スッカリ忘れとるんです、
今怒られた事をもうスッカリ忘れとるんです、
「はい、タバコですよ!タバコ吸ってますけど!何か!!」
(逆ギレしてきよる)
なんか、腹立つっていうか、もう怖いわ。
それをその後また二回やりましたからね、
ホラーやわ。
タバコ→逆ギレ→猛反省
この、誰も得せえへん負のスパイラル。
四回もやる?

もうホラーやわ。