第141話 妹よ

皆さん、欲しいモノってありますか?
ボクにはあります。
皆さんの欲しいモノってなんでしょうか?
外国のクルマ?
大きなお家?
ドラえもんの四次元ポケット?
地位や、名誉?
はたまた名声?
ボクの欲しいモノ、それは、

妹です。

妹欲しいッスわ〜、
15歳の妹欲しいッスわ〜、
15歳っていうたらアレですよ、
妹が妹としてイチバン脂の乗ってる時期ですよ、
妹のトロです、
そんな妹が15歳の状態で現れへんかな、って思います。
いや、ボクは赤ちゃんも好きですし、
赤ちゃんから妹を育てるってゆうパターンもありなんですが、
なんせ今から、赤ちゃんの状態で妹ができてしまうとやね、
妹が妹として脂が乗りきるといわれている年齢、
すなわち妹が15歳になる頃には、
ボク42歳なわけですよね、
公園なんかをやね15歳の少女と42歳のオッサンが歩いとってやね、
15歳の少女がやね、42歳のオッサンをやね、

『お兄ちゃ〜ん』

イカンですよ〜、
非常にイカンですよ〜、
お父さんじゃなく、お兄ちゃん、
15歳の少女が42歳のオッサンに、お兄ちゃん。
これは説明が必要になってくる、
世間を納得させる説明が必要になってくる、
下手したらやね、
立ち話もなんやから、と。
署の方で話聞きましょか、と。
とっても不本意な状況になりかねへん。
いや、そんなもんね、何を疑われようとやね、ボクにはやましいことなんて一つもないんですよ!
無実や、無実!
声を大にして言いますよ!
声とチンコを大にして言いますよ!
あかん、あかん、チンコ大にして言うたらあかん、
言い訳できひん、
声だけ大にして無実やと言えます、
しかしやはりそうゆう不本意なリスクなりなんなりは、
その十字架は42歳という年齢には重すぎる。
なので今すぐ15歳の妹を所望します。
15歳、色んな悩みもあるでしょう、
高校受験もひかえてますしね、勉強も見てやらないかんのかな?
やはりかわいいもんです、お兄ちゃんをたよってくるんですよね、
ボクが今日も家で朝から一日中桃鉄やってたら言うてくるわけです、
15歳、高校受験ひかえた妹が言うてくるわけですよ、
「オニイサン、勉強教エテクタサイヨ〜」


(オニサン、オネガイネ)
なんでカタコトやねん!

どんな妹やねん!
フィリピンのパブにはおらんタイプのやつや、オレの妹は!
ほんで15歳て言うたはずやぞ、
アホは滅びろ!
目つぶれ、そして心のキャンパスを真っ白にしてくれ、
そして描いてくれ、オレの妹を。


(うん、うん、そんな感じ、うん、うん、うん)

なんや、1から10まで言わないかんのか?
4から8くらいで全てを察してくれ、
そんな友達でいてくれ。


(そんなトモダチ)

15歳、多感な時期や、
恋愛なんかもするんやろな、
お兄ちゃん淋しいけど、もと子(あっ、妹の名前です、突然スンマセン)が好きになった人やから応援したい、
もと子のこと応援したい、と、こう思っている。
いっぱい恋をしなさい、
そしていっぱい失恋しなさい、
時には傷つくかもしれない、
涙がこぼれちゃうことだってあるかもね、
でもその涙の数だけもと子はエエ女になるのやで・・・
えっ、もと子、写真見せてくれるんか、
お兄ちゃんに、好きな人の写真を見せてくれるんか、
お兄ちゃん大丈夫かな〜、正気でいられるかわかんないぞ〜(笑)

オッサンやないか!

ちっさいオッサンやないか!しかも愉快な。
(いや、これはオッサンなんか?もうそれすらわからへんわ)
違う、違う、こんなんちゃうねん、こんなパターンちゃうねん!
正気でいられへんわ!
オレの妹、もと子はこうゆうタイプを好きになるタイプやないねん、
野球部の星崎くんとか、バスケ部のヤマっチとか、
軽音楽部のハセヤンとかを好きになる女の子やねん!
でも内気やから告白には至らへんねん!
でもバレンタインの日には思いきってチョコを作ったんやけども、
そういえば今年のバレンタインは日曜日やったりして学校休みで渡せへんかって、
そのチョコをお兄ちゃんにあげてしまうような、
そんなおっちょこちょいなとこもある、そんな女の子やねん!
おいおい、1から12くらいまで言うてもうたぞ、
10がマックスちゃうんかいや、
4から8くらいまで言うたら全てを察っす、
そんな友達でいてくれ。


(そんなトモダチ)

そして16歳、もと子も高校生や。
この春からうちのもと子も高校生になりまして、
いや、ありがとうございます。
無事、第8志望の工業高校に受験成功しまして・・・

失敗や!

第8志望の工業高校て、それはもう大失敗や!
まだわかってくれへんのか、
悲しいわ!
うちのもと子は第1志望の公立高校の二類に無事入学するんや!
もと子の頭なら関西一の進学校も狙えたけど、
勉強よりも色んな事をもっと大事にしたいし、
友達とも離れたくなかったからみんなが通う近所の公立高校にしたんやがな、
いや、ホンマは野球部の星崎と一緒の高校にしたんかもな、
でもそんなん言うたんなんよ、多感な時期やねんから!(星崎め!)

もと子も16歳、オレの渡す月200円のおこづかいでは足りひんくなってやな、
アルバイトをしたい、なんて言い出してやね、
まぁ、確かに今まで月200円でやってたんがすごいわ、
今までがすごかったわ、
ようやっとったわ、
ほんでどんなアルバイトするんやろな、もと子は、
もと子はああ見えて意外とミーハーなとこがあるから、
制服で選んでしまったりするねんな、
時給とかは二の次、
かわいい制服着たいねんな、
まぁ、エエと思うよ、もと子のそうゆうとこ嫌いじゃないよ、お兄ちゃん、
ほんで、なんのアルバイトすんのや?
あれか、駅前のパン屋メザベルテか?
それとも、西口の喫茶フルールか?
もと子恥ずかしいやろからな、お兄ちゃんこっそりのぞきに行くさかいに・・・
えっ?靴ひもの先っぽ固める仕事・・・?

もと子がせんでもエエ!

いや、とっても大事な仕事やで、
靴ひもの先っぽ固める仕事、すっごい大事。
靴ひもの先っぽが固まってなかったら靴ひもファッサ〜なって穴に通らへんくて難儀する、
だけど・・・
もと子がせんでもエエ!
そうゆう仕事は尼崎のオッサンがやる仕事や、
すごいなんとなくで言うてるけど、
尼崎のオッサンに任せとけ!
もと子はパン屋さんとかで働くんや、
ほんでお兄ちゃんがたまにパン買いに行ったら顔真っ赤にして、
「お兄ちゃん来ないでよ〜」って怒るんや、
ほんでオレより年下の店長さんとかがやってきて「あっ、もと子ちゃんのお兄さんですか、もと子ちゃんから自慢話よく聞いてますよ〜」 とか言うてきてやな、
なんやねん、もと子ちゃん等と馴れ馴れしく呼びやがって、とちょっとイラッとするけども、
バイト先で何をお兄ちゃんの自慢をしとんねん、
とちょっと嬉しくなったりするわけやし、
なんや、もと子、ここでも結構うまいことやってるみたいやな、とホッとしたりもするんや、

だから、靴ひもの先っぽを固める仕事は尼崎のオッサンに任せとけ!

皆さんの欲しいモノってなんでしょうか?
ボクは妹です。
(非ノイローゼ)