第147話 達人

麺の達人てあるじゃないですか、
日清が発売しているカップラーメンなんですけども。
日清がすごい頑張ってやね、
限りなく生麺に近いカップラーメンを開発したんです。
麺に重きを置いたカップラーメンの誕生です。
ほんでね、しばらくしてねスープの達人っていうカップラーメンできたんですよね、
日清がすごいスープにこだわったカップラーメンを作ったんですわ。

・・・完成しちゃったんじゃないの?

麺の達人開発時はスープには手が回らなかったんでしょう、
逆説的に言うとやね、
麺は達人、しかしスープは凡人、
という事やったんですよね。
そして月日は流れついに日清はスープにこだわりまくったカップラーメンを完成させたんです。
その名も『スープの達人』・・・。

そこは『スープも達人』であれよ!

麺は?達人やった麺はどこへ行ったん?
どこへ行ってしまったの?
ホタルなんで死んでしまうん?
なぜ麺は『麺の達人』の麺で、スープは『スープの達人』のスープのカップラーメンが作られへんのか、
『麺の達人』があって、『スープの達人』が完成した時点で合体させて『達人』とするべきやん、
なぜ手を抜こうとする?
できるのに!
麺の達人だけの時は麺のクオリティに満足できますよ、
しかし、スープの達人なんて言われてしまうと、
麺の達人食べてる時のスープの不完全さが気になりだしてくるんですよ!
できるのに!

どっちかに入れるとしましょうよ、
突然やけど、どっちかのお風呂に入れるとしましょうよ、
極寒の大陸を旅してるとしましょうよ、
ほなお風呂が二つあったとしましょうよ、
めっちゃかわいい女の子がいるけどお湯がムッチャぬるいお風呂と、
スゴイいい湯加減やけど、ババァのつかってるお風呂があったとしましょうよ、
どっちかに入れるとしましょうよ、
絶対こう思うやん、

いやいやいや、ババァあっち行けよ!

お風呂としてはそりゃエエ湯加減のこっちがいいですよ、
一つしか選択肢がないのであればババァがトッピングされていようが、満足です。
しかしお風呂が二つ並んでるわけですからね!
しかも隣にはかわいい娘っこがいるというじゃないですか!
逆も然りなわけです、
こちとら極寒の大陸を旅している孤独な旅人や、
嬉しいですよ、ラッキー!ですよ、
なぜか、かわいい娘っこがつかってるお風呂を発見したら、
お湯がぬるかろうがそんなもん構わずスッポンポンなりますよ、
身体の冷えなぞ厭わずザッパ〜ン!ですよ、
しかし、隣にもう一つお風呂があるとなると話は別やんか、
しかもそのお風呂はすごいエエ湯加減やと聞く、
しかし、そのエエ湯加減のお風呂にはババァがつかっていやがると聞く、
ほな、ババァをぬるま湯にほうり込んで、
かわいい女の子をエエ湯加減の方に連れてきて・・・ってなるやん!
普通なるやん!

置き換えてください、
この説話を『麺の達人』と『スープの達人』にあてはめてください。
難しいかもしれないですけど変換してください。
ほな、やってみたら?
って言われる方がおられることでしょう。
麺の達人とスープの達人を買うてきてお互いトレードさせたらどない?
麺は『麺の達人』の麺にしてスープは『スープの達人』のスープで食べてみたらどない?と。
ボクは首を横に振らざるを得ません。
ボクは誰も悲しませたくないと思っていますし、
何より自分が一番悲しみたくないんです。
それは美味しいでしょう、
達人麺と達人スープのラーメンはそりゃ美味しいでしょう、
しかし、それをした後に必然的にできる負の遺産をボクは見たくない。

『麺の達人』のスープと『スープの達人』の麺で構成されたラーメン。

悲しみしか残らない。
ボクには見たくないものが3つあります。
飢餓に苦しむ子供たち、
欲の塊の汚い大人ども、
そして、『麺の達人』のスープと『スープの達人』の麺で構成されたラーメン。
このラーメンを『極寒の大陸をいく孤独な旅人』の説話にあてはめると、

ババァのつかってるぬるいお風呂

となります。
悲しみの産物。
だから日清は今すぐに作るべきなんです、
かわいい娘っこがいてるエエ湯加減のお風呂を。