第148話 名古屋、ひつまぶしの名店にて

サヨナラバイバイズで名古屋に行った。
名古屋行ったらやっぱりウナギ食べたいな、つって。
ライブハウスの近くにあるひつまぶしの名店に行った。
なんでも、かのチャップリンのために料理をしたことがあるという老舗。
にも関わらずなぜか壁にはチャン・グンソクがウナギをかっくらう写真が一枚かかげられている。


チャン・グンソク

壮年の気難しそうな店主自ら注文を聞きに来た。
壁のメニューに目をやる。
緊張が走る。
やはりここは1人1つずつひつまぶしを注文するべきなのか、
しかしお酒も飲みたいし、
うまきや、うざく、肝煮なんかもつまみたい、
しかし老舗うなぎ料理屋でそんな居酒屋っぽいアタックをしていいものか・・・。
一同壁のメニューから目が離せないでいる。
業を煮やしたのだろう、店主がその重い口を開いた。

「皆さんもチャン・グンソクさんのブログを見てこられたくちですか?ハッハッハッハ、チャン・グンソクさんえらくうちのウナギ気に入ってくれたみたいで、チャン・グンソクさんのファンの方がよく来られるんですよ」

チャンを見とったんちゃうわ!

メニューを熟考しとったんや、
オマエの見た目がそうさせるだけの重みをはらんどんのや、
なんや、えらい軽いな、
チャン・グンソクて何回言うねん!
そっちがその気ならこっちもこうや、
ひつまぶしとうまきとうざくとあと季節の天ぷら!ビールはキリンを三本!

チャン・グンソクチャン・グンソク言いやがって・・・。
ちなみにウィキペディアの情報なんですけど、
チャン・グンソクはウナギが大好きなんですって、
ほんで彼はファンの事を『ウナギ』って呼んでるんですって、
ウナギとファンにパワーを与えてもらってるから日本のファンの事を敬意を払って『ウナギ』って呼んでるんですって。

バカにされてるぞ!

韓流などと踊らされてる間に日本人は完全にバカにされてるぞ!
このチャンとかいうクソガキに完全にバカにされている!
こいつウナギ思いっきり食うとったぞ!
大和撫子!エエんかい、大和撫子
このクソガキはファンも食うとる、絶対食うとる!
目を覚ませ、大和撫子

なでしこジャパンの奮闘は記憶に新しいですよ、
このままでいいんか、なでしこ!
クソガキになめられっぱなしで!
あっ、写真間違えた!


(澤さん、すみません。)

だいたい、ファンに敬意を払うんやったら、
オマエのその大好きなウナギの方を『ファン』と呼ばんかい!
確かにややこしい、
どちらかというとオマエがウナギのファンなわけやから。
この場合、ウナギのファンのチャンのファンをチャンはウナギと呼んでいる、
それを、ウナギのファンのチャンはファンのことはファンと呼んでチャンがファンであるウナギのことをファンと・・・

ややこしいわ!

ややこしすぎる!
ウナギはウナギ、ファンはファンでいいやん、
なぜファンのことをウナギなどと呼んでしまうんや、
トンチのつもりか、
ファンはファンや!

しばらくしてビールがなくなったので、
注文しようと思い店の方を呼んだ。
上品な女将が注文を取りに来てくれた。
次はお酒にしよかな・・・と壁のメニューを見ていると、

「皆さんもチャン・グンソクさんのブログを見てこられたくちですか?ハッハッハッハ、チャン・グンソクさんえらくうちの・・・・」

聞いたわ!

それはそこでウナギやいとるあいつから聞いたわ!
なんやねん、そんなに?
そんなにチャン・グンソク
そんなにチャン・グンソクなん?

チャン・グンソクチャン・グンソクとうるさい店やったけど、
ウナギはとっても美味しくいただきましてお会計をしていると、
女将が「みなさん音楽されてる方ですか?」と言うてきた。
なんでもバンドマンもたまにくるらしくここでウナギを食べて有名になったと帰ってきてくれるミュージシャンもいるらしい。
そして女将は僕たちの通された座敷の奥の座敷を指さしこう言った。

「有名になられる方は皆さんそちらでお食事されるんですよ」


先に言わんかい!