第192話 星の王子さまたち

星の王子さまたち(というロックバンド)のレコ発に出演することになった。
星の王子さまたちと出会った時、星の王子さまたちはまだ古口くんのソロプロジェクトであり、
サヨナラバイバイズもまだなく、
ボクたちは松井くんと上田くんというユニットで活動をしていた。
その当時からお互いのイベントに誘いあい切磋琢磨してきた。
そして僕らはサヨナラバイバイズに変身し、
星の王子さまたちもバンド編成になった。
同じ道を辿ってきた。
同じ道を辿ってきた仲間でありライバルである星の王子さまたちのレコ発だ。
古口くん、今日は心からおめでとうを言いたい。
古口くん、本当におめで・・・

「洋介、オレの財布がないんやけど」

疑惑に満ちた目。
怒りを含んだ静かなその声。
「形式的なもんやから」
とぼくのポケットをまさぐるその手。
ボクは仲間ではなく、良きライバルでもなく、

容疑者でありました。

ボクは容疑者でありました。
海が見たい。
なんだかすごく海が見たい。
遠くで声が聞こえた。
「ははっ、カバンの中にあったわ、財布、ははっ」

海が見たい。

なんだかすごく海が見たいであります。
カバンの中から出てきた財布。
まず探すべきところから出てきた財布。
その財布を持って星の王子さまたちはオヤツをたらふく買いに行ったであります。
見たことのないアメリカのお菓子を袋いっぱい買ってきた彼らであります。
そして楽しいパーティーが始まったであります。
バカって楽しい。

「おぎの!オレのシャボン玉どこにやった!」

バカって本当に楽しい。
古口くんがシャボン玉の事で怒を発している。
どうせカバンの中にあるのだろう。
「違うよ!緑のじゃねぇんだよ!ピンクのやつ探してんだ!」

バカって本当に楽しい。

PS:そんな古口くんなんですが、今日車にひかれたみたいです。