第194話 小さな恋の物語

甲殻類(というバンド)のカシワ(という人間)が恋をした。

一泊二日の淡路島旅行(アワロック)で恋に落ちた。
相手は神戸に住むMちゃん。
帰りの車ではもうすっかりお熱。
あと少しで解散してMちゃんは神戸に帰ってしまう。
ソワソワするカシワ。
解散場所の京橋PAについた。
ここで二人はお別れ。
ボクらのクルマは難波へむかい、
Mちゃんの乗るクルマは神戸に帰ってしまった。
淋しそうなカシワ。
松井「次の約束決めたん?」
カシワ「いや、そんな事できないっすよ」
松「メール聞いたんやろ」
カ「はい、でもなんてうったらいいのか・・・」
カシワはただいま21歳。

絶賛童貞中だ。

そんなカシワが悩んでいる。
どんなメールを送ろうか、とっても悩んでいる。
そこで人生のパイセンであり恋愛のパイセンでもあるボクとジャンキー(という人)がメールの内容を考えてあげることにした。
こうゆうのは解散して間髪入れずに速攻でメールするのがかっこいい(おもしろい)ので、
Mちゃんと別れて八秒でメールを作成。
「こうゆうのって語尾がすごく難しいですよね、敬語で行くべきなのか、もっとくだけた感じでいくべきなのか・・・」
ボクはそうゆうのは得意な方なので、
とびっきりのヤツをカシワに伝授した。

『アワロックお疲れさま。今度ヘルタースケルターでも見に行きましょう。次の休みを教えてちょんまげ。』


(教えてちょんまげ)

ちょんまげ。

伝統と信頼と安心感。
くだけすぎず、丁寧すぎず。
5分程たった。
車内なんだか暇だったのでカシワに提案した。

「もう一回うたへん?」

カ「なにをですか?」
松「いや、もう一通メールをやな・・・」
カ「まだ返ってきてないのにですか?」
松「こうゆうのはちょい押した方がいいねんて〜(訳:だって暇なんやもん〜)」
カ「わかりました、なんて送りましょか!」

『次の休みを教えてちょんまげ。』


(教えてちょんまげ)

「同じ内容二通目ですか・・・?しつこくないですか・・・?」
しつこいとかしつこくないとかはカシワが決めることじゃないから!(しつこいねんけど)
Mちゃんが決めることやから!
今からそんなんでどうすんの?
『次の休みを教えてちょんまげ。送れてないと困るのでもう一度送りましたちょんまげ。』
でいこ。
『ちょんまげ』の使い方も間違えよ、この際。
さらに10分ほど経過したが、返事は返ってこない。
不安気なカシワ。
「返事返ってこないっすね・・・何がダメだったんすかねぇ」
みんな思った。

ちょんまげやで。

もう止まらない。
「もう一通行こ、押しが足りへんのやわ、押しが」
三通目。

『あっ、ヘルタースケルターでなくても構いませんので(ちょんまげ)』

(ちょんまげ)

なにそれ?
こいつは何を言ってんの?
甲殻類の歌手カシワヒロシ。
カシワヒロシの恋の行方はどこへやら??
続報を待っててちょんまげ。

PS:カシワへ。
『ちょんまげ』の次は『おくんなまし』で攻めよっか。
次の休みを教えておくんなまし。
おっぱい触らせておくんなまし。
ヤらせておくんなまし。
これは、『丁寧』とか『くだけた』とかではなく、
普通にオシャレやから。
多分ヤれんで。


(キリンとやけど)