第231話 スマートホン顛末記 その3

わたしは呆然としていた。
パントン5のロクデナシ加減にだ。
わたしの愛機パントン5はとんだロクデナシである。

舞台は、BARペヨーテに移っている。
わたしはバーテンダー
こんな夜だってカクテルを作る。
今日のカクテルは悲しい色をしている。
わたしはパントン5と向き合う自信がない。
そんな時、一人の客がBARの扉を開けた。
彼はOBBA(オバ)と名乗るDJであった。
「洋介、携帯変えたんやな、見せてや、まだストラップもつけてないねんなぁ、貸してみ、つけたるわ!」
そうだ、ストラップをつけよう、
沈んだ気分を吹き飛ばす、あのストラップを。

そう、上田ストラップ。
このストラップでポンコツのパントンのやつをカスタマイズしよう、
オバ、ストラ・・・・

メッチャねぶるやん!

オバ、ムッチャねぶるやん!
ストラップのヒモのとこ、ムッチャねぶるやん!
入りずらかったんかしらんけど、
ほら、ネッチャネチャやん、
うわ、最悪や、
オバそうゆうとこやわ、
オバに足りひんものはデリカシーやわ、
デリカシーと肌のきめ細かさが圧倒的に足りひんわ。
「そうなんや、水没やから前のデータ移せへんかったんや。それは難儀やな、共通の友達のアドレスとかメールしたるわ!登録しとき!」
ホンマにエエやつなんです、
オバってホンマにエエやつなんですわ。
面倒見もエエしやね、
なんかデリカシーないとか、顔ブツブツとか言うてごめんやで!
あ、送ってくれた?
ありがとう、登録しとくわ〜、
誰のん教えてくれたんかな・・・

安藤さん(ザ・たこさん)
KTR
キチュウ



もっとおったやろ!

もっとおるやん!
一番最後でエエ三人さんやがな!
大阪の3トップや、
今世界で一番どうでもええ情報しか入ってないスマートホンが出来上がってしまったがな!
え?安藤さんは電話番号だけ?
エエよ、同じソフトバンクやからメールもできるし。
え?画像の添付とかできひんよって?
ええわ!安藤さんと画像のやりとりせえへんし!

松井、綺麗な夕日だな。どやっ

ってか?
いらんわ!

ボクのパントン5、ボタンがひとつだけあるんですけど、
そのボタン押したら、なんと放射線量が計れます!
ラッキー!
ははっ、ボタン一つしかついてないのに?
その一つのボタンに放射線量を?
計れる機能を?
ははっ・・・・・

もっとあったやろ!