第262話 未来は僕らの手の中

三月三日。
そのイベントは万博記念公園で開かれた。
太陽大感謝祭。

あふりらんぽピカチュウさんと、マッカーサーアコンチアチャコさんが発起人となり、
1年半かけて育て上げたイベントだ。
あの震災を目の当たりにして、
原子力発電所が爆発して、
僕達はみんな考えた。
わからない。
考えて、考えて、考えて、そしてわからない。
そして、また考える。
考える、考える、考える。
そんな、人たちが集まるイベントだったと思う。

そして、集まったエネルギーを未来にむけて発信する日、であったと思う。
素晴らしかった、
美しくさえあった。
仲間たち。
未来は僕らの手の中に。

いつか、僕らがいなくなり、
最後の一人もいなくなり、
1000年経って2013年3月3日の記憶が化石になってしまっても、
太陽の塔は覚えているだろう、
1000人のどら息子たちの、鼓動を。


(あれ・・・?)

(あっ!KTRが自転車で発電してる!)

10000年後に僕達が博物館で見る夢は、
化石になった僕達が見る夢は、
ドラムの前で酒を飲みながら、
未来を信じたそんな夢。

(ニャー!って言うた!犬やなかった!猫やった!)

幸せ。
幸せを幸せと認識できる、そんな幸せ。


(ニャーー!)


歯なんかなくたっていい。


未来は僕らの手の中にある。