第313話 沖縄冒険録  その3

実際なにが正解かわからない。
旅先で猫なんか拾うこと自体が軽率で軽はずみなのかも。
警察に届けに行こうと思い交番に行っても交番には誰もおらず、
備え付けの電話をならしたら動物愛護団体の連絡先を教えてもらえたので、
かけてみたら連休中は対応できない、とのこと。
(愛護精神もお休み中かい)
もう一回警察に電話したら、保健所を紹介される。
(一番ありえへんから)
何人か現地の人が頭に浮かんだけど、
そんなん迷惑以外のなにものでもない。
どうしたらいいんや。
旅先で猫なんか拾うこと自体が軽率で軽はずみだったのだ。
でも・・・

ニャーニャー言ってるんだもの〜〜!


(言ってるんだもの〜〜)

チビ太郎(仮名)、ニャーニャー言っちゃってるんだもの〜〜!
どうにかしたいじゃない〜〜!
(おっと、取り乱しました)
でも、どうするねん、
置いていくんか?
運がよければ誰かに拾ってもらえるし、
拾ってもらえずとも観光客から餌もろて大きくなれるかも。
必ずしも野良が不幸せでもないやろし・・・
でも運が悪かったら・・・?

ミャーミャー言わないでよ〜〜!


(言わないでよ〜〜)

チビ太郎、ミャーミャー言わないでよ〜〜!
(おっと、取り乱しました)
ウンコ付き山下と、
ウンコ付き山下のウンコ付きスカーフ、付き松井。
二人は途方に暮れていた。
途方が今まさに暮れていく、
まさに、その時であった。

ババァ登場。


(愛、知りませんか?)

ドラマチックに登場。
交番の前で途方に暮れていたウンコにゆかりのある二人と張本人の一匹の前にババァがドラマチックに登場。
散歩中のネイティブに事情を説明する。
事情を説明するとチビ太郎をひきとると。
このまま交番に置いてたら確実に保健所。
それだったらあたしが育てるサ〜〜。

ババァ・・・(涙)


(涙で前がぼやけるや)

チビ太郎・・・(涙)
幸せになるんだぜ・・・(涙)
すごいほっとした反面、この一抹の淋しさ。
時計を見たらまだ九時前。
なんか疲れた。
山下さんと別れて月光荘の隣のつきのわ(というバー)へ。
沖縄の朝の日差しを浴びながらビールを飲む。
そして思う。
ドラマチックな朝の出来事・・・。
チビ太郎のこと・・・。
これからの旅のこと・・・。
ババァの口ひげのこと・・・。


(メーン?)

ババァ、ひげ生えてたよね。


※本文と挿絵は全く関係ありません。KTR先輩の新作を手に入れてたので発表の場とさせていただきました。