第322話 14歳

友人(Mちゃん)の娘さんが奇妙礼太郎トラベルスイング楽団のドラムス、手島氏にドラムを習い始めた。
Mちゃんの娘さんYちゃんは14歳である。
Mちゃんと手島氏も友人関係にある。
であるからして、レッスンはMちゃんも同席してワイワイとたのしく行われる事になった。
しかし、しばらくして手島氏がこう切り出した。


「お母さん、これからはYちゃんと二人でレッスンをしようと思うのですが・・・」


(フタリ デ レッスン シヨウ オモウネン)

いいわけねぇだろ!このジャガイモ丸!

そんなこと許される訳がねえだろう!
ほら、まだ土がついてんぞ、
何血迷ったこと言ってやがんだ!
これ、おまえだろ。

デジマ、よくねぇよ。

なぁ、ジャガイモ丸、14歳の娘さんと二人きりはよくねえだろう。
バター乗っけちゃうぞ?
まず、なにより、

お母さん?


(お母さ〜〜ん)

ひっかかんな〜、
すごい、ひっかかんな〜、
ジャガイモ丸はよ、ずっとMちゃんて呼んでただろ、
それが突然、お母さん?
でかめのフックだな、ひっかかんな〜!


ここは玉造ペヨーテ(というバー)。
MちゃんとMちゃんの旦那のH氏は少ない休日のひとときをここ、ペヨーテで過ごしてくださっていた。
H氏が苦い顔をしている。
それはそうだ、愛しの我が娘に変な虫がつこうとしている。
とびっきり変な虫がだ。
「マスター、ウィスキーをロックで・・・」
酒も進むことだ。
カランカラン・・・
H氏が転がす氷の音だけがカウンターに響いた。
そのとき大きな音を立ててバーの扉が開いた。

「まっちゃ〜〜ん!」


(まっちゃんって呼んでくるのオマエだけだぞ)

手島だった。
スタジオ帰りの奇妙礼太郎、UJ、手島氏のお三方がご来店。
トラベルスイング楽団のお三方がご来店。


(トラベルスイング楽団)

なんとこのタイミングで手島がペヨーテ、なう。
店内に緊張が走る。
一斉にみんなの目線が手島に集まる。
H氏と手島の目があった。
ほとばしる緊張感のなか、手島say(手島は言った)

「もしかして・・・お父さん?」


(お父さ〜〜ん)

H氏の大きな舌打ちが店内に響き渡っていた。


〜Yちゃんへ〜

手島の野郎はそのうちマッシュポテトにでもしちゃうんですけども、
ところでYちゃん、ここだけの話なんだけれども、
Yちゃんが16歳になったら、
サヨナラバイバイズに入らないか?
夏はキャンプ、冬にはスキー合宿なんかもあって楽しいゾ☆(←星)
スタジオは、Yちゃんの最寄りに引っ越しちゃいますし、
おじさんたちが勉強も見てあげられちゃうわけだし。
英国数理社以外ならまかせといてください。
まぁ、保健体育だけなんですけれども☆(←星)
今いるゴリラのおじさんの事は気にしなくていいからね。
ちゃんと説得するから。
ライフルを使ったコミュニケーションで説得してみせるから。
ねっ、だからYちゃんは今のうちに牛乳をいっぱい飲んでおっぱいをいっぱい、いっぱい大きくしておいてください!
サヨナラバイバイズの髪の長いおじさんでしたっ。
(長いのは髪だけじゃないゾ〜〜)
ろっくんろ〜る☆ミ(←流れ星)


(ゴリラのおじさん、オマエのことは世間が許してねえんだ)