第330話 帰路 〜タクシーの中のシド&ナンシー〜

「安藤、大丈夫なのか?」

ここは、大阪の福島区で行われた『福島クッ!ダラナ庄助祭り』の打ち上げ会場である。
ザ・たこさん(というバンド)の歌手安藤さんは今日もお過ごしである(お酒の方を)。
「安藤、大丈夫なのか?」
ナグタイムレコード(というレコード会社)のゴーさんが心配されている。
安藤さん、翌日はスケジュールの調整ミスでまさかのトリプルブッキングしてしまったらしい。
朝はNHKで番組のリハーサル、十三でプロレス、夜は梅田でザ・たこさんライブ。

十三でプロレス・・・?



安藤さん、あんた何やってんだ・・・。


安藤SAY(安藤は言った)
「オレは大丈夫ですよ・・・まだまだいけますよ、それに、アイツが今コッチに向かってんだ、まだ帰るわけにはいけねえよ・・・」
アイツ・・・
安藤さん、もしかして、こいつ?





(このひとは、あんどうさんのこんやくしゃのトンカツ丸師匠です)



〜二時間後〜


「ダメだ!みんな手を貸してくれ、安藤を運ぶぞ!」


やっぱりじゃねえか・・・
安藤さん寝ちゃったわ・・・
「タクシーとめるぞ!・・・ダ、ダメだ!二台連続で乗車拒否!」
そりゃ、そうだわ、
絶対乗せたくねえだろ、

気絶してるUMA(なんだかよくわからねえ生き物)は乗せたくねえだろうさ・・・



(気絶しまして)


そして、我々(UMA、トンカツ丸師匠、わたし)はなんとか、止まってくれたタクシーに乗り込んだ。
夜の街をタクシーは走る。
色々な思いを乗せて。
今日を振り返る、今日はボクにとってすごいスペシャルな日であった。
あの、山川のりをさんのギターでブルーハーツを歌ったのだ。
キスしてほしい、ロマンチック、人にやさしく。
中学生のころに、放課後聴いたあのナンバー。
それを張本人と・・・!!
中学生のころにボクの胸をうちぬいた、あのナンバー。

「あんちゃん、やめて・・・」

ずっとずっと好きだったんだ。

「あかんて、あんちゃん・・・」

ずっとずっと好きって言い続けていたら、

「あんちゃん、待って・・・」

夢はかなt・・・



「あかん、あんちゃん、もう家やから・・・」




(あかん、あんちゃん・・・)

てめえら、さっきから何やってんだ!


安藤!ダメだろうが!
タクシーの中でそんなきちゃないとこ触っちゃダメだろうが!
何を元気になっちゃってんだ!
台無しじゃねえか!
オレが今、素晴らしかった今日って日を振り返ってんだろうが!
それを・・・ほら、なんだか、変なニオイがしてきちゃってるじゃねえか!
ほら、谷町6丁目だぞ、とっと降りんだよ!


か、金は置いていけよ!




(あんちゃん、いいかげんにしねえか)




※帰ってすぐにゲロ吐いたんですが、タクシーの中の出来事との因果関係は不明です。が、この因果関係はなるべく早く解明して賠償など請求していきたいと思います。





















〜追記〜





安藤さん、あんた何やってんだ・・・