第367話 じいちゃんのこと

東京のじいさんが死んだ。
母方の祖父である。
101歳だった。
葬式には松井家から父信也、姉悦子、そしてわたしが出席することになった。
姉は長崎から、父は京都から、わたしは大阪から、と別々に東京を目指す。
新幹線の中で東京でのタイムテーブルを父に確認した。



どうやら、日本語が通じないらしい。




(なんか、もうこわい)



何語なら通じるのだろう。


結局タイムテーブルは着いてから確認した。
18時〜19時ころまで通夜。
翌日11時〜14時頃まで告別式。
わたしは通夜の日の19時頃に着いて、告別式の日の15時の電車で帰らないといけないタイトなスケジュールであった。
ギリギリアウトっぽいなと思いながら電車に乗っていた。
であるからして、タイムテーブルを知りたかったのに。
式場について、父にその旨を告げた。
父が一言。


「焼き上がりには間に合わねえかもな・・・」



(美味しそうに焼けました☆)



いやいや、パンやないねんから。(焼き上がりて・・・)


通夜、告別式が無事終わった。
じいさんの事を少し書こうと思う。
わたしが小学生の頃からじいさんはじいさんであった。
中学生にあがる頃には、食事中に寝ちゃったりするようになった。
そんな、穏やかな巨人ファンのじいさんであった。
そして、なぜだか一種の威厳と品格がどこからか漂うような好爺であったように思う。
晩年は絵を描いたり、お皿などを作ったりと趣味に生きていたようだ。
遺品の中には彼が晩年残した作品が少なからずありました。





なんだか、最後のだけ作風が違うのが気になるっちゃあ気になりますが。
とっても味のある作品だと思います。
次に発表する作品は彼の残した作品の中でも格段に鬼気迫るものがあります。
『味』が出過ぎちゃった、みたいな作品です。
濃口です。
鬼才の残した『おひなさま』がこれだ。





・・・・??





二人おかしい!





顔お化け!

それ鼻ちゃうし、髪の毛ちゃう!
二体は上手に作ったやん、
烏帽子も冠も、手に持ってるやつも。
ちゃんと正しい解釈で、表現されてるやん。
なんで、そうなってしまったんや。


なにより、バランスが!



(これをあの部分に使い、あれをその部位として使ったかぁ)

そして、これは完全にあの人たちがモチーフになってるよね。
日曜の6時の人と6時半の人だよね。



違う番組やで。


最後に見ていただく作品は、
巨匠が最後に残した一枚です。



(おいしかったー)

美味しかった?ほなよかった。




追伸:おとんの様子がホンマにやばいです。



(もう嫌や、ホンマにこわい、松井家は三人兄弟です。)


一緒に焼いちゃえばよかったかもな。