第368話 誕生
4月25日、兄圭太郎のこどもが生まれた。
とびきり可愛い女の子だ。
『愛する』ことが『可能』で『可愛い』という日本語になる。
みんなの愛を一身に浴びて育つことだろう。
とにかく、最大級のおめでとうを。
圭太郎はバカなので、
12月24日クリスマスイブに赤ちゃんの性別がわかるので、
女の子なら『イブ子』にするって言ってたのだが、
なんとか思い止まったらしい。
『イブ子』の一生は苦労の一生だ。
クリスマスイブに生まれた『イブ子』ならまだしも、
クリスマスイブに性別が判別した『イブ子』だ、
クリスマスイブに・・・
・・・クリスマスイブに生まれたイブ子ならまだしも?
クリスマスイブに生まれたとて。
クリスマスイブに生まれたとて、イブ子はよくない。
「芙紫乃(ふじの)」
いい名前をもらいましたね。
ふじのちゃん。
伯父さんはね、ふじのちゃんの名前を呼ぶ度に、
中学生の同級生の藤野を思い出すんですよ。
将棋の名人でした。
これは、余談でしたね。
ふじのちゃん、大きくなっても伯父さんと一緒にお風呂に入ろうね。
いっぱい、いっぱい入ろうね。
牛乳いっぱい飲んでおっぱいをいっぱい、いっぱい大きくしようね☆
出産に立ち合った圭太郎が深く感動していた。
生命の誕生に立ち合えてとても感動していた。
どんな感じやったか聞いてみた。
「ハンターハンターの王が産まれるシーンあるやん、あんな感じやったわー」
お母さん・・・死んじゃったの・・・?
;">※母子ともに元気です。
つつがなく。