第372話 喪服

最近、喪服を着ることが多い。
だがしかし、わたしの手元には喪服がない。
であるからして、その度におとんが喪服を持ってきてくれるのだが、
そんなことじゃ、いけねぇな、つって。
男三十歳。
喪服のひとつ用意できねぇんじゃよくねぇや、つって。
実家にあるにはあるのだが、
なんだかサイズもしっくりこないし、
なんだったらズボンも破れている。
だがしかし、喪服の性質上、次いつ着るかわからねぇ服に高い金出すのもなぁ・・・って言ってる間にも年寄りは死ぬ。
おとんもこう言う。

「喪服くらいちゃんとしたの、ひとつ持っとけよ、ズボン直すなり、買うなりして」

わたしも、思う。
そうだな、つって。
だって、次には、ほら、近々・・・(ちらっ)



(ネクストバッターズサークルには)





(準備万端の)





(ブルンブルン素振りしている)




(ジジィがいるわけで・・・)




「・・・なんや、次わしかい・・・それやったらわしの喪服を着たらエエがな・・・」





(ええがな〜〜)




ほんま?ありがとう!