第373話 キチュウ外伝
大前提としてはっきりさせておくんですけども、
キチュウさんて、ほんまにエエ人なんです。
ほんで、すごい人気者ですし、
姿かたちこそ、ちょっと珍しいデザインしてますが、
大前提としてキチュウさんは人気者でエエ人なんです。
(珍しいデザインですが)
それを踏まえて今回のお話をはじめたいと思います。
雨はあがった。
わたしはキチュウさんと飲んでいた。
美園ビルのとあるバー。
時計は午前0時を回った頃である。
わたしはキチュウさんと飲んでいた。
バーの扉が開く。
二人の妙齢の女性が入ってきた。
キチュウSAY(キチュウは言った)
「JUDY&MARYみたいやな〜」
キチュウさん、やめてください。
バーで飲んでいて二人組の女子きた時に、
「JUDY&MARYみたいやな〜」言うんやめてください。
JUDY&MARYってジュディとマリーっていう二人の女子やないんで。
トムアンドジェリーみたいな話ではないんで。
JUDY&MARYの構成成分として、三体のオッサン含まれてるんで。
狭いバーである。
カウンターは、奥から松井、キチュウ、女性、女性という布陣になった。
キチュウSAY(キチュウさんは言った)
「なぁなぁ、洋介、よう見たらまぁまぁ、オバハンやで」
(暗がりではこましやけども、外出たときに、あぁ・・・ってなるタイプや)
なあ、キチュウ。
フォーメーションを確認しよか。
奥から松井、キチュウ、女性、女性、とこうゆうフォーメーションなわけや、
キチュウ、おまえの声がおれに聞こえてるってことは、
それはそこのオバハンにも聞こえてるんちゃうんかい、
オマエに『隣』はふたつあんねん、忘れんな。
おまえは脳ミソがザリガニの脳ミソと同じかたちをしているから、
そうゆうことは分からへんのかもしれへん、
それやったら、ザリガニやったらザリガニらしく、
その赤い身体を小学生に引きちぎられるかなんかして、
その真っ赤な一生を閉じてみてはどうやろか。
イズミヤの裏のどぶがわで。
「なぁなぁ、おれな、高橋克典に似てるって言われるねん〜☆」
(オマエはサラリーマン金太郎というよりは、普通に金太郎や)
キチュウさん、結構な失礼をぶっこいた直後に、一応口説き始めるんやめてください。
ほんで、「高橋克典に似てるって言われるねん」ってなんなんスか。
口説いてるつもりですか?
まず、似てないですし、
(髪型森昌子ですし)
そもそも似てたらなんやねん、ですし、
だいたいにおいてそうゆうことは、
誰々に似てるとか、そうゆうことは、言われてください。
誰かに言われてやっと、です。
ほんでなんですけど、
キチュウさんはやっぱりですね、
のりまきせんべーにしか似てないで。