第394話 続・贈る言葉
気だるい朝。
パーティーの翌日。
昨夜は我が家に気の合う友人を数人招き、鍋を囲んだ。
加藤さん参加型のパーティーであった。
夜も更け、友人たちはひとり、ひとりいなくなる。
だけど、この人は帰らない。
気だるい昼下がり。
加藤さんが帰らない。
お腹が空いてきたので加藤さんをラーメン屋に誘った。
加藤さんSAY(加藤さんは言った)
「家でたべるわ、ありがとう」
相変わらず声が小さい。
(元気のねえ40代はあつかいずれえなぁ・・)と思いながらもやっと帰ってくれるみたいだな、とややほっとする。
「じゃぁ、加藤さん、鍵あけといてもらってかまわないんで」
ラーメン屋にむかう。
わたしの今年いち推しのラーメン屋『うえまち』は長堀通りと上町筋の交差点を少し北に入ったところにある。
うえまちの素晴らしい塩そばを食べ終え、帰路につく。
(まだいるんだろな、あの野郎・・・)
8割がた帰ってねえだろうと思いながら玄関を開ける。
「おかえりなさい」
ご飯を食べながら待ってるやん。
家で食べるて、おれん家でかい!
ラーメンのお誘い断って、
人んちで飯作って食べてるってどんなやつやねん。
はい、加藤さん、いきますよ、よく聞いといてくださいね。
ザラキ!