第396話 冬の景色
今年もあと残りわずか。
12月の風が冷たい。
この時期、木村くんの様子がおかしい。
今年もこの時期がやってきた。
木村くんはお歳暮の季節だってTシャツで働く。
この人、寒くはねえのか。
見てるこっちが寒くなるぜ、きさま。
いま、大阪でTシャツ一丁なの、きさまだけだぞ?
磯野家のカツオかて冬はセーターをきとんねん。
なのにきさまときたら・・・。
ペンギンなん?
ペンギンのおじさんなん?
おじさんペンギンなん?
ペンギンさんおじさんなん?
どっちなの!
お父さんがペンギンなの?
それともお母さんがペンギンなの?
それともお父さんがペンギン、お母さん・・・も、またペンギンなの?
ペンギンさんやないか!
お父さんがペンギン、お母さんも、またペンギン。
て、それはもう、血統書付きのペンギンさんやないか!
貴様はどこに出しても恥ずかしい、立派なペンギンさんや!
「あちぃんだよ!」
(ひっ、化け物っっ)
「働いてんだろ、じゃぁ、あちくなってくんだよ!しょうがねぇだろう!」
しょうがねぇつっても・・・12月だぞ?
木村・・・貴様、日本、むいてないんじゃないだろうか。
シベリアとかさ、アラスカとかさ、ペンギンさんがペンギンさんらしくさ、暮らせる大地がさ・・・
「・・・自転車乗ってる時は、外にいる時は、世間の皆さんビックリさせねえように、1枚はおってんだぞ・・・」
外はさみいだろう・・・?
外はさみいんだろ??
え??外もあちいの?!!
外もあちいんですか??!!!
・・・発電とかできねえっすか?