第406話 バリ旅行記 其の2

先にこの旅の総括をしておきたい。
この旅で思ったこと。
父がすごくかけあしでお爺さんになっていっている、ということ。
しかも、すごく残念なお爺さんに。
人の話は聞かない。
思ってることが全部声に出てしまう。
同時に二つ以上のことができない。
すぐに疲れる。
空気は吸うだけ。(読まない、感じない)


何拍子揃っとんねん。




父と5日間も一緒にいるなんていつ以来だろう。
小さな頃は父という存在は大きな、唯一無二の存在だったように思う
そんな父の老いっぷり。
そんな父のポンコツっぷりを追う、そんな旅行記になる気がしている。



(かけあしで・・・)



(すっごいかけあしで・・・)



(すっごいかけあ・・・足おそ!)


3月4日夕方の5時、デンパザール空港に到着した。
現地旅行会社の方の車でホテルへむかう。


(色の黒い、面白いにおいのおじさんでした)

ホテルがとにかく立派である。
プール付きのコテージのような部屋。
とりあえずチェックインを済まし、レストランへ。
バリ料理を堪能したあとは、ホテルへ戻り、飲み直す。
父が突然いなくなった。




! ! !

プールに入りたかったらしい。
しかし、なんちゅう姿かたちや。


(こんなんや)

2日目以降は三谷さんと懇意のガイド、ネガラさんがついてくれた。
ネガラさんの運転でまずはタナロッド寺院へとむかう。
観光地らしく日本人の姿もよく見かける。
神秘的なタナロッド寺院で記念撮影。
引き潮のときは海に道ができる。

そして、この記念撮影の直後、フンさんが本日2回目の迷子になる。
一日二回も何を迷子になることがあるねん。
携帯ばっか見て歩いてるからや、
ホンマに足をひっぱるじじいや、靴脱げてまうわ、
人いっぱいやし、ちゃんとついてこいと今言ったところやn・・・

「今、『I LOVE BALI』って書かれたピッタピタのワンピースがあって、買うか迷っとったんや・・・まりえ、着てくれへんかなぁ」

まりえちゃんとはフンさんの店で店長をしている女の子だ。
スタイルもよくハツラツとしてかわいい女の子なのだが、ややアゴが長いのが少し気になる。
ビールの栓を抜いたりするのに便利なのだろう。
そんなまりえちゃんが何十万もかけて歯の矯正をしようとしているらしい。
御曹司はこう思ってます。
まりえちゃん、そこじゃねえ、って。
するなら、もうひとつ下の部分だ、つって。
まりえちゃんがいつもワインのコルク抜くときに使ってる部分だ、つって。
便利かもしれねえけれども、そこにワインのコルク抜きついてなくてもいいだろ。
それはずしちゃえ。
何故ならワインのコルク抜くやつなら、家にも店にもあんだろ。
そして、ワインのコルク抜きを絶対搭載したいとしても、そこじゃねえ。
腕とかに搭載しような。
御曹司からの提案です。

・・・なんだか、話がはるか日本は京都木屋町へ。
・・・なんだか、脱線しちゃったので、続きはまた次回。


続く・・・(のか??)







のか?