第423話 5月26日
西暦3015年・・・戦争は終わり、地球は美しさを取り戻していた・・・
孫 「おじいちゃん、きれいな星空ね」
祖父「あそこに大きく輝く美しい星があるじゃろう、あれがサンデーさんじゃ」
孫「サンデーさんおっきい〜」
祖父「サンデーさんの隣にある薄汚い星があるじゃろう、あれが加藤じゃ」
孫「加藤汚ない〜、なんかにおいもする〜、消えてなくなっちゃえばいいのに!」
祖父 「もと子はさとい娘じゃ・・・」
(右の大きく輝いているのがサンデーさん、隣の薄汚ねえのが加藤)
〜星になった加藤〜
とうとうこの日がやってきた。
5月26日、スロータイムコミュニケーション当日。
結果からいうと、
加藤さんは5月26日をもってスロータイムコミュニケーション及び、サンデーカミデ主催のイベントを引退します。
加藤さんは普通のおじさんに、
いや、ぽっちゃりした普通のおじさんに、
いや、ぽっちゃりしためんどくさいおじさんに、
いや、ぽっちゃりしてるし、めんどくさいし、普通にちょっと臭い(口とか)おじさんに戻ることになったのだ。
事実上の音楽活動引退である
動員、署名と課せられたノルマは加藤さんは見事にクリアしたのである。
しかし、残念な結果になってしまった。
何が起こったのか、わたしの見てきたことを語ろう。
加藤さんの果たしたノルマの結果を踏まえて、打ち上げという名の裁判が行われた。
出演者、お客さんを含めた30人程で法廷へむかう。
ノルマを見事にクリアした加藤さんだが、浮かない顔だ。
まるで、おばあさんのチンパンジーだ。
加藤さんはわかっていたのかもしれない。
全てわかっていたのかもしれない。
おもむろにサンデーさんの演説が始まった。
「ここで、住民投票を執り行います!」
スロータイム住民投票である。
スロータイムコミュニケーションの出演者及び、お客さんに決めてもらうのだ。
(ノルマ、クリアしたのにな・・・あんまし、関係なかったな)
加藤さんはアリなのか、それともナシか。
民意に問おうと。
スロータイムコミュニケーションに民主主義が誕生した瞬間である。
今までのサンデーカミデの独裁、絶対王政からの逸脱であった。
(脱却、ではない。)
わたしは、独裁を否定しないものである。
絶対的なカリスマと卓越した指導力、優れたリーダーシップのもと、ラブソファ、スロータイムコミュニケーション(という国)は発展を遂げた。
そして、今、民意を問う。
加藤ってどうなの?
そして、答えがでた。
それは悲しい答えであった。
圧倒的多数で可決した。
加藤引退。
王は正しかった。
王の意向は民の意思であった。
サンデーさん、いや、王!わたしたちはあなたについていきます。
民の声である。
そして、心優しき王は加藤にひとつの可能性を示した。
加藤にネクストステージを用意していたのだ。
「加藤さんはラブソファでDJしましょう」
■加藤さんのネクストステージ
DJ