第428話 パス

「ほな、加藤さんのエエとこ言うていこうや」



(なんだ?なんだ?)


加藤さんが3時でジョブをあがられて、
なんだか暇になっちゃったので
後輩の小菅くん(仮名)と二人になったので聞いてみた。


「正直、加藤さんのことどう思てるん?」


小菅誠(仮名) 、彼もまた頭の方に軽めの十字架を背負いし男であるからして。
自分の持ち物全部に『誠』って書いちゃいます。



(紙コップにまで・・・紙コップは使い捨てようよ)


なに?新撰組のひと?
カレーは飲み物って言葉ありますけど、
この人、ほんとに飲みます、カレー。



そんな小菅くん(仮名)に聞いてみた。
小菅くん(仮名)SAY(小菅は言った)


「いや・・・いい人だと思いますよ」



う〜ん、そんなん、聞きたいんとちゃうねん。
ってゆうか、ホンマにそんなん思てるか?
おれ、加藤さんの悪いところ10秒で5つ言えるで、

■うそをつく
■まず自分の保身を最優先にする
■帰らない
■言い訳から入る
■口のにおいが駄目

ほら、スラスラ5つ言えたやろ、特技です。
加藤さんの良くないところを10秒以内に5つスラスラ
言えます。
8パターンくらいあるんで、これ。
すぐ出来るようになるし小菅(仮名)も練習するとエエわ。


「確かに加藤さんっていい加減なことばかり言いますよね・・・」



(・・・・・)


そうなんや、小菅(仮名)はそんな風に思てるんや、
加藤さんっていい加減なことばかり言う、口だけのくだらねぇ男だって、
小菅(仮名)は加藤さんのことそう思てるんや、

結構言うねんな、小菅(仮名)って意外と毒舌やねんな、
でも、加藤さんていい人やと思てるんや、


ほな、加藤さんのエエとこ言うていこうや。



(・・・あるよな?)


はい、小菅(仮名)からやで、
加藤さんのエエとこひとつずつ順番に言うていこうや。
ほら、はやく、


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


はよう、言うてくれな、
わかった、一回だけパスありにしよか、
でも、探そうや、加藤さんのエエとこ。
・・・小菅(仮名)どうする?




ザワザワザワザワザワザワ・・・・・・・・





(どうするのかしら、ザワザワ、まさかいきなりパスなんて・・・ね、ザワザワ)






(ザワザワ、おいおい、どうなっちまうんだ?ザワザワ)






(・・・・ごくり)







(ザワザワ、どうなんだろうね、そんなことよりキミ、おっぱいが大きいねえ、ザワザワ)







(ザワザワ、いいとこ見つかりますように、この通りですので、ザワザワ)







(ホモで〜す)





「・・・パス」








おれも、パス。