第429話 ある日のこと 〜ジョブ場にて〜

台風だ。
外の雨が気になる。
わたしはバイトリーダーである。
バイトリーダーであるからして下のバイトに色々と言いつけることができる。


「加藤さん、雨がひどくなってきましたねぇ、雨の様子みてきてくださいよ。いや、どのくらい降ってるとか口で言われてもわかんねぇので、30秒間雨に当たってきてください。その濡れ具合でどのくらい降ってるか判断するので。・・・なんすか?何の顔なんすか?なに?風邪ひいちゃう?うっせえな、とっとと行ってこいよ、てめぇは画用紙か、30秒雨に当たったくらいで風邪ひくんじゃねぇよ、バカタレ」



(画用紙ってなんだよ・・・)




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木村くんが珍しく昨晩飲みすぎたらしく体調が悪そうだ。
いや、木村くんは基本的に毎日飲み過ぎてるんですが、
酒があんまり残りにくい体らしくいつも元気だ。
そんな木村くんの体調が悪い。
顔、頭、体調。
今日の木村くんは良いところがない。
逆、秋山だ。




(走攻守そろい踏み)



(逆秋山)




「木村くん、どないしたん?昨日はどこで飲んでたん?え?家で?誰と飲んでたん?え?ひとりで?家でひとりで飲み過ぎたん?なに?めでたいことでもあったん?姪っ子が結婚したとか、お姉ちゃんに子供が生まれたとか・・・え?何もないのに、めでたいこともないのに、家でひとりで飲み過ぎるん?アホなん?それともむっちゃアホなん?もう、帰ってしまえよ、そんなアホは」



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石原(仮名)という男がいる。
新キャラだ。
こいつがひどい。
仕事の覚えが人八倍悪く、いつも怒られている。
今日もミスをしてしまった石原(仮名)に原因を追及する。



違うんです・・・



「え?どうゆうこと?さっき違うミスをして、そのミスをしたことに動揺して、またミスってしまった?知らんがな!登場人物おまえだけやんけ、まずオマエがミスって、そしてオマエが動揺して、その結果オマエがミスをする。なにが『違うんです・・・』やねん、なんも違うことないがな、オマエしか出てきてないやないか!このショートコントに!あー、イライラする!早死にするわ、こんな毎日毎日イライラさせられて!早死にしてしまうわ!おまえのアホは致死量や!帰ってしまえ!」



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木村くんとメディキュットについて喋っていた。



(ピっ)


何を隠そう、この松井、メディキュットにはまっている。
そして木村くんも、また、メディキュッターだ。
おじさんメディキュッターがふたり。
きれいな足のおじさんがふたり。
おじさん二人でメディキュットについて語っていると、
社員の若木(仮名)が話に入ってきた。
若木は今日もシュレックに似ている。
しかし、これは余談である。


「冷たいタイプのメディキュットいいですよ。ひんやりメディキュット」




(ピっ)



若木・・・おまえもか




おじさん2人とシュレック一体でメディキュットの話に花が咲く。
なんとも汚ねぇ花だ。
メディキュットパーティー(パジャマパーティーのノリ)の話まで出たわけだが。
色んなものを無くしちまいそうなので開催は見送りだ。
そして、若木よ、ひんやりメディキュットて・・・。





(ちんちん亭)


木村くん、ちんちん亭はあかんわ。しまっときなさい。