第434話 加藤塾にようこそ〜ずっこけ三人組ツアー秘話〜其の3

安田さんは優しい。
安田さんはあきらめない。
安田さんは加藤さんのことをあきらめない。
まだ加藤さんを育てようとしているのだ。



(アリガトネーーー)


スーパー銭湯の喫煙所。
安田さんの説教は続く。
加藤さん、あんたがまいた種だ。
加藤さん、心して聞け。
加藤さんがまいた種は42年の時を経てとても大きく汚ねぇ花を咲かせたわけだが。
あんたがまいて、せっせと水をやり、育てたうす汚ねえ花にはなんだか、小さな実のようなものがなっているわけで。
その実を安田さんは育てて収穫しようとしてるのかな。
どうだろう、安田さん、
オリはね、その実なんだけどね、ウンコなんじゃないかって気がしてね。
比喩じゃねぇです、
ウンコみてぇなって意味じゃねくて、
ウンコなんじゃねぇかなって。
だからね、まだ小せえうちにね、
まだ臭いのしねぇうちにね、
もぎ取っちまってね、トイレに流しに行ったほうがいいんじゃねぇかって。
オリが行きますんで。
トイレにはオリが流しに行きますんで。



正直、仙台に加藤さんがついてきても、ライブの枠はない。
泊まるところもない。
荷物も増えるし、誰にもメリットがないのである。
だが、ひとつ、運転要員として車に乗り込むという手もある。
長野、東京、福島と安田さんがずっと運転してくれた。
仙台はライブの枠はないが、最終日の福井なら加藤さんの枠を用意できるかもしれない。
安田さんも、そのようなことを匂わせていた。
ボクもできることならば加藤さんと旅を続けたい。
安田さんの負担も減り、一石二鳥だ。
加藤さん、くるm・・・



「ビール飲んでいいですか?」




(ははっ、ビール)



好きにしたらよろしいやん。


ビールでもなんでも飲んだらよろしいやん。
風呂上がりのビール最高ですもんね。
運転とかする気はないんですね。
加藤さん、流石です。
加藤ここに極まれり、です。
人をがっかりさせる事、スパゲッティ注文したら、なんか思ってたのと違うタイプの、なんか、マカロニみたいなスパゲッティが出てきた時、の如しです。




(う〜ん、これかぁ・・・思ってたのとちゃうわぁ・・・って。)



それ、すなわち加藤なり。