第448話 沖縄珍道中 其の五

そして朝が来た。
旅の終わりの朝だ。



終わらない旅はない。
いや、僕たちの人生は終わらない旅なのかもしれない。
車は伊江島の港を目指す。
僕が取り戻した夏に別れを告げるべく。
カーステレオからは松任谷由美の飛行機雲が流れる。


そして、なべの野郎がゆーみんより大きな声で飛行機雲を歌う。




(シュコー、シュコー)



・・・おめえはハンバーガーなのか?


おめえはあれか?ハンバーガーか何かなのか?
おめえはでっけえハンバーガーなのか?
ハンバーガーならハンバーガーでよ、
情緒とかそういったものが入り込む余地はねえのか?
情緒とか感傷だとかそういったものをサンドできねえだろうか?
大きな声でゆーみんを、そんな大きな声でゆーみんを・・・
そして、すげくうろ覚えで、もう・・・



あの娘の命は・・・ふふふふふ〜ん」




(シュコー、シュコー)


そこは、歌えろや






船が出た。
終わらない旅はない。
いや、僕たちの人生は終わらない旅なのかもしれない。
どんどん、伊江島が小さくなる。
来年もまた必ず帰ってくることを誓う・・・
誓う、ボクなんですが・・・春本や、おまいは何をしてるんだ?




「折り紙やがな」

おまいは折り紙をおっているのか?
その、割り箸の入ってたやつで折り紙をおっているのか?
伊江島にはせる思いみてえねものはねいのか?
ねいならねいでいいんだけれども・・・
それで、何ができあがるのかな?









「オレの好きなスクーターやん」











(・・・)


沖縄珍道中・・・