第453話 東京へいこう

11月17日早朝、わたしは実家の最寄駅である阪急西山天王山駅前にいた。
(山って二回も言うてる、なんてアホな駅名や)

今日は星の王子さまたち(というロックバンド)のレコ発イベント出演のため彼らの車で東京へ向かう。
車はメンバーのオギノの家の車を借りる。
オギノが早朝の出発に間に合わないためオギノの家までタクシーでむかい車を借りてメンバーを拾っていく算段だ。
そういった事情で圭太郎(星の王子さまたちのメンバーでありわたしの実の兄である)とふたりでタクシーを拾うため駅前へと向かったのだが早朝のためタクシーがなかなか来ない。
圭太郎がタクシー会社に電話をした。






「うわっ、吉田新町の松井さまですね、って言われた!」




(言われたぁぁあああ)



・・・オマエは原始人か


そういう機能あるやろ、
当てたんちゃうねん、
「その声は・・・吉田新町の松井さん?」
ちゃう、
そういう機能や、
登録できるねん、
ほんですぐ出動できるようになっとんねん、
オマエの携帯電話もそのようになっとるやろ、
しかし、ここは吉田新町ではないからね、
ここは西山天王山、山って二回も言うてしまうアホの駅。
しばらくして、タクシーがやってきた。
オギノの家の住所を告げる。
タクシーの運転手SAY(タクシーの運転手は言った)


「番地まではちょっと・・・・」


ナビを使おうや、って毎回思うんですよね。
タクシーってなぜ頑なにナビを使わないのか、
確かに必ずしもナビが近道というわけでもないので、
例えば「京都駅まで」とか場所がはっきりしてる場合やったら、
「どの道でいきましょ」とかそういうアプローチわかるんですけど、


・・・オギノんちやで、




(オギノの妹)



ナビ使おうや〜


絶対貧乏の家やん、
ナビなしでそんなもんがみつかるわけないやん、
衛星の力を借りようや!

圭太郎がなんとか場所を思い出してオギノの家についた。
そして無事車を手に入れ、圭太郎の運転で京都市内を目指す。
まずは、古口k・・・・


「あっ逆や」




(抜けないよぉぉぉぉぉ)



なんで間違えちゃうんだよぉぉぉ、
ナビつけてんのに、なんで一個目の曲り道で間違えちゃうんだよぉぉぉぉ、
衛星の力を借りてこれかよぉぉぉぉぉ、

夜が明けた。
国道171号線を走る。
古口くんの家はs・・・・


「あれ?雨降ってきたん?」

「いえ」

「・・・あっそう」


東京ではゴールデンローファーズ、ぐっとクルーと共演だ。
今からすごく楽しみである。
長い夜になることだろう、
僕たちはいつd・・・


「なぁなぁ、雨降ってきたん?」

「いえ」

「・・・あっそう」


旅の楽しみとして食事が大きな比率を占める。
わたしの場合はラーメン。
東京ラーメンの老舗にm・・・

「なぁ、雨降ってきたん?」

「い・・・」

「ほな、なんでワイパーを動かすん?!」



(全然抜けないんだよぉぉぉぉぉ)


なんでちょいちょいワイパーを動かすのん??
すごい気になるねんけど、すっごい気になる!
東京まであと450キロ、旅は長い。