第455話 父になりし友に捧ぐ

〜父になりし友に捧ぐ〜

初めてあったのはいつだったろう
ある夏の終わりの西院だったように思う
酔いつぶれたわたしはあなたにゲロを吐きかけし蒸し暑き夜

次に会ったのは初秋の鴨川のほとり
あなたは新幹線に似たおんなを連れていた
後年あなたの伴侶となりし、新幹線似の小川女史

時は過ぎた そしてわたしは見た
あなたによく似た小さきいきものを見た
小さきいきものを愛おしむあなたを見た

愛があふれた小さな病室
窓の外はもう冬だ
窓のs・・・・



「古口さん、メー太郎のオムツ変えてあげて」




(メ〜〜〜〜)


え?なになに?
メー太郎ってなに?
こわい、なんか、すっごいこわい。




(なんだ、おめえ)



とにかく説明が必要だ。
古口くんと小川ちゃんのもとに新しい生命が誕生したので病院に遊びにいったんですが、
古口くんと小川ちゃん、息子のこと「メー太郎」って呼んでて。
小川ちゃんは大の羊好き。
二人の結婚パーティードレスコードも羊だった。



(愛の巣)


いや、でも・・・ねえ?
メー太郎は・・・ほら・・・ねえ?
オリはいいんだけどさ、二人のさ、親御さん?
おじいちゃん、おばあちゃんが何て言うかなって・・・ねえ?
おがわちゃんのお母さんSAY(小川ちゃんのお母さんは言った)


冥王星の冥はどう?冥太郎。」




(おふくろ・・・?)


でも、ほら、それ冥途の冥でもあるわけですし・・・



(冥途ってのはちょっと・・・)


おいおい、賢いやつはいねえのか!この一族には!
慎重にいこう、なっ!
羊から一旦離れよう、なっ!
二週間ゆっくし考えようよ!


「あー、こいつキンタマでかくてオムツ変えずらいねん!・・・・金太郎、キンタマ邪魔やわぁ・・・」



よさねえか!


キンタマ太郎じゃねえか!
金太郎の金はキンタマの金じゃねえか!
よくねえって、こぐc・・・・

キンタマ、でかっ・・・!




(これくらいあるわ)


ふぐりくんでいきましょう。



(こいつはアグリ)


古口ふぐり。
いいじゃねえですか、落ち着きのあるいい名前。
キンタマのでけえ倅を持ってあんた、三国一の幸せもんだ。
キンタマとリビングはでけえにこしたことはねえ、つって。
言いますもんね、知らねえけれども。



(ほんと見てほしい、こんなだから)


「・・・冥王星の冥はどう?冥太郎。」



(おふくろ・・・)


いや、だから、冥途の冥はだめなんだって!