第462話 中央道をゆく

「KTR♪離さない♪離さない〜♪」(シャズナのメルティラブのメロディで)


番長(というドラマー)の替え歌で目が覚めた。
最低の気分だ。
ここは渋谷のとあるマンションの一室。
昨夜、東京田無のとある倉でライブを終えたわたしたち(大野くんと田淵くんPAの安田さん)は渋谷で彼らと合流し朝を迎えたのであった。



(髪の毛半分なくなっちゃった人と信用が全部なくなっちゃた人と。)


今日は長野へ向かう。
運転は番長だ。
カーナビとケンカをしながら中央道を行く。
もう、めんどくささと不安と、めんどくささでイッパイだ。

「おい、siri、なんとか言わんかい」



(おい、siri、わいや、番長や)


大野くんのsiriと番長がケンカを始めた。
安田さんの出したクイズの答えを大野くんのsiriに聞こうとしたがsiriがうんともすんとも言わない事におかんむりの様だ。
大野くんSAY(大野くんは言った)

「ああ、番長、これボクの声にしか反応しいひんように設定したあるねん」

最近の機械はよくできてあるんですね、番長そういうことらしいから、大野くんに聞いてもらいま・・・



(わいが番長や!)


「おい、siri、なんとか言わんかい」


siriとケンカを続ける番長。
何語やったら通じるねん。
大野くんも自分のsiriがこんなことになって悲しそうだ。
大野くんは静かに目を閉じた。
ボクもまた目を閉じた。

目を覚ますと外は一面の雪であった。
談合坂SAで朝ご飯になった。
番長がスタミナ定食をオーダーした。



あかんて、こんなもん食うたら。
番長、スタミナありあまっとるがな。
もったいないけどちょっと捨てなあかんくらいありあまってしまってるのに、
何をスタミナ定食みたいなもんをオーダーしてんねんな・・・
遅れて大野くんが席に座る。
大野くんはスタミナ丼。



大野くんには是非ともスタミナをつけていただきたい。
昨夜、悲しい出来事が大野くんを襲ったためあまりよく寝れてないのだ。



(朝一番で弁護士のとこにいこうな・・・)



(色々取り戻そうな・・・・)



(反省の色れい太郎)


恐れていたことが現実となった。



(なんでこんなもん注文すんだよぉ、食べてみたかったのかよぉ、木の実でもかじってろよぉ)


大野くんむっちゃ残すやん・・・。


大野くん、全然食べへんやん・・・。
衝撃や、お腹空いてないやん、
リスくらいやん、
食欲リスやん・・・
ほんで食べ残したやつ番長のとこ行ったやん・・・



考えうる中での一番最悪のシナリオやん。

大野くんがスタミナつけるのに失敗して、
番長がスタミナをつけすぎるっていう。

談合坂SAをあとにする。
長野はまだ遠い。
番長SAY

「雪最高やなぁ!雪国に住みたいわ!」


(住みてえんだよぉ!)

いや、ホンマ、誰も止めないので是非そうしてください。

(続く・・・のか?)

第461話 上田太一夢日記2016

2016年、上田太一の新プロジェクトが静かに開幕した。
上田太一、夢日記つけてます。
夜に見た夢の内容を朝覚えてるうちに日記としてつける、というプロジェクト。
『上田太一夢日記2016』極秘入手しましたので、公開したいと思います。



(ジンタ、おねえの人生そのものが鳥山明先生の見ている夢ならいいのにな)



1月12日(火)

巨人の阿部選手がファーストフライを頭からダイビングして見事にキャッチ。
ただグラウンドに胸を強く打ったのか、
「あついあつい、イタいイタい」と言いながら胸をさすりながらユニフォームを脱ぎ、
「めっちゃ痛かったわ、ちょっとここ見て、1、2、3、4、5
本も胸毛抜けてるやん」と言う。
それを見ていた坂本選手が「でも阿部さん、ナイスプレイでしたよ」と一言。




(あついあつい、イタいイタい)



1月14日(木)

シャンプーハットの二人がラジオで先輩の未知やすえ姉さんが昔仕事で悩んでいて、友達の堀ちえみさんに「わたしもう仕事辞めようと思うんです」と相談すると堀さんが「仕事に不満とか面白くないと感じるのは自分が成長している証だから絶対に辞めたらあかんよ」と言われたことがあったらしいと言っているのを聞いている。




(やすえ、辞めたらあかん)


②どこかの女子テニス部の女の子達が県大会が終わって横一列に並んで、
「今まで応援ありがとうございました」と各席に向かって言っているのをフェンス越しに見ているボク。その時何気なく、
「なんかウンコしたくなってきた」とボクの言った一言に横で見ていたダルビッシュ投手が大笑いする。
その様子を見ていた日ハムの大谷くんが「ダルさん何をそんなに笑ってるんですか」と聞くとダルビッシュが、
「こいつ(ボク)がテレビカメラにうつっているのにウンコがしたくなったとか言うからサ」と大谷くんに説明する。
それを聞いた大谷くんも大笑いする。





(1月14日は二本立てやったんやな、あと、やすえ、辞めたらあかん)



1月15日(金)


(筆者注:新=あらた。上田くんの第一子です)


新が養子に入って名前が上田新から最上(もがみ)新になってみんなでお祝いで最中(もなか)を食べる。




(最中を食べる。)




一説には夢日記をつけると現実と夢の境目がなくなって頭が狂ってしまうと言われています。
次の事実を述べることにより、この説へのわたしからの回答とさせていただきます。


圭太郎、一年間ほど夢日記つけてました。



(2週間連続でりんごの夢みてました)











第460話 日本語について

日本語について考える機会があった。
今回の主題は『自粛』。
『自粛』ってなんなのだろう。
『自粛』というとりとめもない主題を加藤さんという数奇な運命を辿る人間を通して考えてみた。

加藤さんが『自粛』を宣言したのは昨年の11月のこと。
原因の一旦を加藤さんが担い、ひとつのイベントがつぶれかけた。
そして、加藤さんは多大なる迷惑をかけた事を関係者に詫び自らの音楽活動の自粛を宣言したのであった。
が、どうやら、事実誤認があるようだ。

加藤さん、自粛自粛と言っていますが、
実はマッカーサーアコンチ以外にもう一つバンドをやっていて、
そのバンドのライブには出演しておるわけです。
「あれ?自粛はもうええの?」って聞いたらこんな答えが返ってくるんです。


「畑が違うので・・・」



(あらあら、なんのことですことやら)


曰く、アチャコさんやサンデーさんの出てるライブハウスや共演者、つまりシーンが違うのでバレないじゃないですか、だから大丈夫なんです。
つまり、加藤さんが粛している(粛:慎む)相手というのはアチャコさんでありサンデーさんなわけです。
イベント及びイベント関係者に迷惑をかけて自粛するといった場合、自粛する相手はイベント及びイベント関係者に対してではないとならないと思うのですが、どうでしょう。
さらに言うと、どうやら彼は自ら粛しているのではなく、
アチャコさんサンデーさんに「しばらく大人しくしとけ、オマエはそれくらいの事をしたのだから」と規制を受けているようなのです。
それを彼は神妙な顔をして、さも反省しているようなそぶりで『自粛』と言っているにすぎないのです。

一葉の写真を見てもらいたい。
新年1月4日に神戸で撮影された写真である。



気持ちよさそうにステージでトランペットを吹く氏。
わたしはこの写真をSNSサイトを使い世界に発信した。
このような文言を添えて。

「加藤さん、あんた自粛自粛言うてるけど、ホンマは出たくて出たくてしょうがない人やん」

すると即座に加藤さんからメールがきた。




(出たいとは思っているが、「でたいでたい」とは思っていない)


なんやねん、この文章は・・・


出来そこないのフランケンシュタインやないか。
出来そこないのフランケンシュタインの赤ちゃんやないか。
なんかね、ボク思うんです、
加藤さん、色々不義理働いたりしょうもないことばかりして怒られてますけども、
一番かわいそうなのは加藤さんなんですよね・・・
『かわいそうな象』よりかわいそうや、不憫や、こんなアホで。
こんなんありえへんやん。



(お礼を言って、怒って、謝って謝って謝って、最終的にそういうこんか!)


あんたは元気なだけではあかん

第459話 衝撃発言

「老後はアチャコさんが面倒見てくれるんです。」




アチャコたのんだで)



あけましておめでとうございます。
新年早々、衝撃発言ですみません。
冒頭の衝撃発言は去年の暮れの加藤さんの発言らしいのですが、
雲亭(というピザ屋さん、アチャコ店長の店です)新年会で暴露された模様です。
そして、アチャコさんの奥さんにすごいイヤな顔されるっていう一連の出し物だったみたいです。
なんでも、アチャコさんが「加藤さん、最終的にどうしようもなくなったら、住むとことご飯はあるからな」って言うてくれたのを、
加藤さんは1000%真に受けて、1000%甘えようとしている、っていう。
タラちゃんでももっとちゃんとしてるで。
もう、そんな甘えへん。
自分の事は自分でしようとしてるのに。
情けないです、加藤さん。
アチャコさんがそう言うてても奥さんからしたら「なに言うてんの?」やし、
1000歩譲って奥さんが大丈夫でも娘のユウホちゃんがなんて言うかやねん。
お父さんとお母さんと、あと加藤っていうおじさんが家にいてるねんで。
初めのうちはそういうもんかなぁ、とおもてても、
小学校上がって友達の家に行くようになってやで、やっぱおかしいと気づくわけやん、


「リカちゃんの家にもあけみちゃんの家にも細川くんの家にもゆうこちゃんの家にもナオミちゃんの家にもなつこちゃんの家にも武田くんの家にもかえでちゃんの家にも、加藤なんていないじゃない!」


ってなるわけやん。
そうなった時に加藤さんは何ができるんすか、


「お父さんも、お母さんも・・・ってゆうか加藤なんて大嫌い!」

ってなって家出するわけやん、
そうなった時に加藤さんはなにができるんすか、
ほんでユウホちゃん途中で思うわけじゃないですか、
宝山寺あたりで思うわけじゃないですか、



「ってゆうか、なんでわたしが出ていかなあかんのよ」




(よし、加藤の野郎をぶん殴ろうな)



加藤さん、すぐに出ていってくださいね。




アチャコの名言シリーズ》

ここからは余談ですが、
年末、木村くんと加藤さんと飲んでる時にアチャコさんが合流したんです。
アチャコさん、普段お酒飲まない方なんですが、
年末やから盛り上がってたんでしょうか、席に座ると同時に、


「この店で一番甘いお酒を」


注文しはりまして。
物言わんくなったから、二分後くらいにチラっと見たら、
すごい涙目で、

「悪魔が入ってきた・・・」



(悪魔どっかいけや〜♪)



そのあと、1時間のうちに加藤さんがトイレにとじこもる、加藤さんが財布をなくすっていう珍プレイが起きました。

第458話 年末に思う 後編

今までに30回近く仕事をかえてきた加藤さん。
そんな加藤さんに「今まで色んな仕事してきたと思うんですけど怒られなかった仕事とかあるんですか?」って聞いてみた。


「二個あります。」



(・・・二個なの?)


二個ありました。



それでは発表していただきましょう。
加藤さんが怒られなかった仕事、ひとつめ〜〜



(はい、ひとつめ〜)


セーラームーンのスティックの検品です」


ボタンを押して音が鳴って光るかを検品するお仕事です。
加藤さん天職じゃないですか!
ボタンを押せて、耳が聞こえて目が見えたらできる、加藤さんにぴったりのお仕事じゃないですか!
なんで辞めちゃったんですか?


オウム真理教の在家信者の方と宗教観のことで言い争いになったんです」



特殊やわ。


なんなんすか、その特殊な事情。
我慢してくださいよ、
ちょっと大作先生の悪口言われたくらいがまんしてくださいよ。
ほな、次二つ目教えてください。
加藤さんが怒られなかった仕事、ふたつめ〜〜



(ふたつめ〜)

「ケンタッキーです」

え?ケンタッキー?すごい意外!
加藤さんにケンタッキーの仕事が務まるとは思えないんですけど。
だがしかし、ここからの内容がTHE加藤。
出勤初日むちゃくちゃ忙しい、店内。
なんと加藤さんと店長しかシフトインしていないありえない状況。
加藤さんに与えられた仕事は圧力釜に入った鶏肉を圧力釜がプシューって吹いたら取り出すという任務。
その任務に失敗して鶏肉をひと釜分ダメにした加藤さん。


なんと、そのまま帰ってしまうっていう。



(歯を食いしばれ)

加藤さん、それ怒られる前に帰っただけやんか。

なにしてんのよ。
店長そのあとどうしたんやろね。



加藤さんと仕事をしているとまるでセーブポイントのないロープレをやってる気分になるんです。
今日やってた仕事が次の日にはできなくなってるっていう。
またそこからはじめなあかんのかい、っていうね。
ボクは昨日の続きがしたいんです。
セーブできないロープレなんてクソゲーの極みですよ。
ただ、ボクを含めみなさんはセーブできるわけじゃないですか。
いつまでもレベル2の魔法使いなんて連れて冒険できないんですよ、加藤さん。
ドラクエやったらそんなやつ馬車の中から出さないですけど、
お仕事はドラクエではないので、
加藤さんにも闘ってもらわないといけないんです。
加藤さん、2018年は頑張りましょうね。
2016年、2017年はもういいです。

第457話 年末におもう 前編

2015年が終わろうとしている。
加藤さんのくだらなかった2015年もまた然りだ。
今年の汚れ今年のうちにと申します。
一年かけてドロドロに汚れた加藤さんの2015年。
雨にも負けて風にも負けたただのデクノボウになっちまった加藤さん。
雨に負けること、風に負けること、もう画用紙みたい。
ズブズブになってヒラヒラヒラヒラ飛ばされて。



(へへっ・・・画用紙だって・・・)


お昼間の仕事を加藤さんと一年一緒にやってきてボク、驚愕してます。
ボクは加藤さんに直接指示を出す立場にいてるのですが。
こんなことがありました。
お昼間、我々は通信販売の出荷業務をしてるのですが、
主に佐川急便と郵便局が配達してくれるんですが、

「加藤さん、佐川急便の作業はおいといて郵便局のんに取り掛かってください」

っていう指示を出したんです。
ほな加藤さん、「はい」って言うてそのまま佐川急便を続けるっていう。
「加藤さん、なにしてるん、聞こえてなかったん?」
言うたら、


「すいません、聞こえてました・・・聞こえてただけです。」



(聞こえてただけのひと)


なに?なになん?聞こえてただけて。
聞こえてるだけ?
わからんわからん、むっちゃ怖いんですけど。
「佐川急便の作業はおいといて郵便局のんに取り掛かってください」っていう指示が聞こえたら、
佐川急便の作業はおいといて郵便局のんに取り掛からないと。

「ちょっと席外すからこの荷物見といてな」って言われたら荷物見とくだけやったらダメなんですよ、加藤さん、
「あれ?荷物は?」
「見てましたよ、なんだか人相のあまりよくない人が持ってちゃいましたけど、ようく見てましたよ」
ではダメなんです。
持って行かれないようにしないと、それが荷物見とくって意味なんで。

昼休憩に入った瞬間にメガネつけだした時もありました。
「あれ?なんでメガネつけるん?」って聞いたら、
「よく見えないんで・・・」


仕事中によく見えとけよ。



なんでお弁当をよく見たいねん、
仕事中によく見えとけって。
こんなんだらけ。
なんか加藤さんと関わってると信長の野望を思い出すんですよ。
信長の野望でさわったことない武将を。
戦場にも連れて行けへんし、内政も担当させられへん、武将を。
こいつに何をさせたらエエねんっていう武将。



(知略1)


信長の野望やったらさわらなかったらいいだけの事なので構わないんです。
ただお仕事は信長の野望ではないので。
このどうしようもない武将を操作せねばならんのですよ。
いやいや、ホンマに使い道がない。
加藤さんに「加藤さんのいけないところってどこや思いますか?」って聞いてみたんです。
即答で、なんやったら食い気味で答えはりました。


「決断力のないところですかね」



(そうじゃねえぞ)


違います。

加藤さん、違います。
加藤さんに決断力なんて誰も求めていないです。
何を食い気味できてくれてるんですか、
そして、何を的外れな答えを用意してくれてるんですか、
加藤さんのいいところをひとつ教えてあげます。
松井くんからのお年玉です。
加藤さんのいいところ、それは『自分よりずいぶん後に入ってきた後輩に何の躊躇もなくものを聞けるところ』です。
なかなか出来ることではないと思います。

第456話 命名

〜前回までのあらすじ〜

コグチのとこにキンタマのでけえ子供が生まれてオラほんとにビックリしちまったぞ、
名前も中々決まらねえみてえでオラしんぺえだぞ、
どうなることやら、なんだかオラわくわくしてきたぞ!




(これくらいあるんだから)



古口くんと小川さんの息子に名前がつきました。
当初、メー太郎と呼ばれていた彼なんですが、
立派な名前がついたようです。
とりあえず一安心。


命名『琳太郎(りんたろう)』


いい名前です。
音の如く凛とした響きのいい名前です。
すくすく育てよ、r・・・


りん【×琳】


人名用漢字] [音]リン(呉)(漢)
美しい玉。また、玉が触れ合って鳴る、澄んだ音の形容。




キンタマ由来じゃねえか!