第246話 ガード下の名店

塚本エレバティでのライブを終え、僕たちは打ち上げへ。
打ち上げ会場はゆりえブギーが『行きつけの店』を案内してくれた。
正直、(ゆりえブギー帰んないかな・・・)とみんな思っていたんですが、
『最高の店』を知っているとのことやったので案内してもらうことに。
メンバーは松井、ゆりえ、キチュウ、そしてお客さんとして来てくれていた十三の狂犬こと、かをりちゃん。
ゆりえブギーが先陣を切って店に入った。
「ただいま〜」
常連の貫録である。
「お姉ちゃん、また来てくれたんやね、ありがとう!」
ゆりえブギーSAY、
「ライブ前に来たんやけど、ホンマにいい店でさ」
なるほどライブ前にもここで飲んでて、
打ち上げもここでって相当エエ店なんやな、
しかしよう知ってたなぁ、塚本のガード下の店なんて。
「うん、ライブ前にお腹すいて店探しててたまたま見つけて・・・」

ライブ前にたまたま見つけた店なん?

これが二回目の来店ってこと?
今日二回目、通算二回目の来店ってこと?
それでこんなに常連感かもすん?
『行きつけ』って言うてまうん?

人懐っこいブスやな。

ゆりえゴリーの人懐っこいブスっぷりにはちょっとびっくらこいたわけですが、
でもホンマにエエ店なんです。
安いし、料理も美味しいし、雰囲気もいい。
なにより店主の『おやっさん』が最高なんです。
キチュウさんの顔を見るなり開口一番、

「顔が赤すぎる、検査せないかんで、君」

ゴリラの肩を抱きながら。

とにかくキチュウさんの心配するんです。
顔が赤い、
ブツブツも出てる、
酒があわへん体質ちゃうんか、
検査しなさい。
いや、いいおやっさんなんです、
初めて来たお客の体調を心配していただいて、
キチュウさんみたいなもんの体調を・・・

むっちゃチンポジ直してるやん。

とりあえず、料理を注文。
チンポジを直した手をしっかり洗ったとこを見届けて、
打ち上げを再開。
キチュウさんもだいぶ気にしている様子。
「そんな赤い?」「検査必要?」


検査が必要な人。


レンゲの色との対比。

レンゲの色との対比なんですが・・・

おやっさんメッチャ見てるやん!

レンゲ越しにメッチャみてくるやん!
おやっさんメッチャまじりたそうやん!
そうこうしてる間にキリングマネーズの玉木くんが合流。
玉木くんは今日の出演者であると同時にエレバティでブッキングなんかをして働いている。
歳はボクの一つ上の29歳。
ただ、玉木くんは1983年生まれで、
ボクは1984年3月生まれやので学年は一緒なんです。
つまり、

早生まれだから学年は一緒だね。

ってやつです。
玉木くんはこの店によく来るらしく、真の常連さんでした。
終電みたいなもんは初めから気にしてなかったので店が閉まるまで飲みました。
そして、いざお会計。
玉木くんは来るの遅かったから割り勘やなくてエエよ、
半端だけはろてや、と言うていたんですが、
かたくななんです、
「それは違う、割り勘にさせてくれ」
おやっさん曰く、
「エレバティの子ぉらはいくら遅く来ても割り勘にするんや、そこはきっちりしてるんやな」
そうか、そうですか、それやったら玉木くん、割り勘やね、割り勘にしましょ。
ホッとした玉木くんはテーブルにお金を置いた。
ポケットから取り出した700円をテーブルに置いた。
ポケットから700円を・・・

700円??全然足りてへんで、玉木くん!


(玉木くん、「きっちりしたいねん」の顔。おやっさん、「・・・700円?」の顔)

玉木、700円やと・・・?の顔。

どうやら今日はきっちりできひん様子の玉木くん。
というわけで、今日の割り勘の内訳は、

松井   1200円
キチュウ 1200円
かをり  1200円
玉木くん  700円
ゆりえ  3500円

と相成りました。

あれ?割り勘ってどうゆう意味やっけ?