第464話 ベビーシッター

兄夫妻が留守らしく姪っこふじのさんの子守りを依頼された。
オトンが四時から仕事なので二時過ぎから義姉が帰ってくる五時までふじのさんとお留守番。
そんなん絶対無理や。
ふじのさんとは何度か旅行をしたり、盆暮れ正月は一緒に過ごしたりとお互い面識はあるものの、ただいま絶賛嫌嫌気真っ最中。
おまけにお母さんにべったりの甘えん坊。
絶対泣くやん、こんなおっさんと二人で三時間も耐えられるわけがない。
なので、何人かに一緒に子守りしてくれと頼んだ。
頼んだもののことごとく断られ、結局ひとりだけつかまったのが十三の狂犬こと、かをり・・・。



(絶世のブスにして、生粋のバカ)


一抹の不安はあるものの、こんなバカでもいねえよりはマシだろう、ってことで来てもらうことにした。
一時に京橋駅に集合。
京阪電車出町柳へとむかう。



むっちゃ短気やん。


1時1分にややギレでメールしてくるやん、
なになん、1分待つだけでイライラするん?
ムッチャ不安やわ、
おいおい、いねえ方がマシなんじゃねえだろうな・・・



ってゆうか、一時ちょうどに電話してきてるやん、
待ててないやん、
1分も待てへんてどんなやつやねん、不安がつのる。
2時過ぎに兄の家に着くとオトンがちょうどふじのさんを寝かしつけたところであった。
ひと安心だ。
オトンは昨晩店(飲み屋経営してます)に財布を忘れてきたらしく、家に金が1円もなく、500円貯金箱を破壊して電車に乗ったという。
だいたいにして財布を店に忘れるっていうのがどんくさいし、
家に金が1円もないっていうのが情けない、そんなことでどn・・・



「金くれや」



(金くれや、とりあえず500円玉何枚あるねん、出さんかい)


・・・話聞いてた?


じじぃ、財布忘れてきて金なくて家の貯金箱破壊して電車乗ってきてんぞ、
それをじじぃが言うたんは2秒前の出来事や、
それをオマエ、そんなヨボヨボから金を巻き上げようとするか?
おいおい、オマエ、どこが悪いねん、心配になるわ、
耳か?それとも頭か?心配になるわ。
築32年の欠陥住宅や、顔面の立てつけも随分悪なってきとる。
ぼちぼち顔面及び脳みそに大規模なリフォームが必要になってきとるがな、
匠にきてもらわなあかん時期や、
ナレーションはオレにやらせてくれや。



(築32年の欠陥住宅。顔面及び脳みそにほころびが・・・)


おとんが仕事へとむかう。
とりあえずふじのさんは寝てくれてるので静かに3時間過ごそうと思う。


ゲプ〜〜〜



(ゲプ〜〜〜)


いきなり特大のゲップすなや!


信じられへんわ、子供が寝とんねん、
なんてでっかいゲップすんねん、
どんなデリカシーやねん、
狂犬SAY(狂犬は言った)



「あ〜、屁もでそうや〜」




(あかん、屁でる)

ホンマにやめてください。
子供起きるし、なにより絶対臭いやん、
オマエみたいなもんの屁みたいなもん、絶対臭いに決まったあるやん、
トイレでしてきてくれや。




(子守り① じじぃのなけなしの金が狂犬の酒に・・・)



(子守り②「ドライフラワー?邪魔やのぉ、クシャクシャ〜としたろかい」)



(子守り③ それはおめえ、ふじのさんのお菓子だろう・・・)



・・・そして、おめえ、ついでにうんこすんなや