第五十五話 料理人

圭太郎くん(兄)はどうやらIHキッチンから火が出ない事を知らなかった様です。

うちがIHにしてからもう10年くらい経つわけですが、
この10年何を見てきとってん。
10年越しで何を再発見しとんねん。

最近までウスターソースオイスターソースがごっちゃになって、
ウイスターソースっていう一つのソースや思ってたらしいですからね。
なんやねん、ウイスターソースて・・・。
だいたいオイスターソースもウスターソースもうちにあるしやね!
こないだは鶏肉の解凍の仕方がわからへんくて、
鶏肉使うん諦めた言うてましたし。

原始人か!

レンジや、レンジ!
レンジ使ったことないんかい!
解凍ってゆうボタンあるやん!

濃い味のカップラーメンが食べたくて、
お湯を多い目に入れてましたからね、つい最近まで。
カップラーメン食べる度に首をかしげてるんですよ、
「どないしたん?」って聞くやないですか、
ほな「なんかな、ラーメンがマズイねん・・・」
いやいやいや、そんなお湯をヒッタヒタに入れたらそら味うすなってマズイやろ〜、言うたら、 「えっ、味を濃くしようと思ってスープを増量、増量・・・はっ!」

「はっ!」やあらへん!(気づいたようやね)

もう何を言うてるかわからへん、
スープを濃くしようおもてお湯を増やすヤツがありますか?
それはスープを増量してるんやなくてお湯を増量しとんねや、
(お湯って味あったっけ?ないよね)
気づくんおそっ!(人より20年ほどおそっ!)
もう料理ができひんってゆうか頭が悪いねん、
料理の腕が悪いってゆうか頭が悪すぎるねん・・・。
頭ん中に一回入ってみたいわ、
圭太郎の頭んなかに。
2分くらいでいいけど。(それ以上はイヤやわ)

ただおにぎり作るんは上手いんですよね、
きれいな三角に握れたあるわ。
ねっ、神様が与えてくださったんやね、
たった一つ才能を。
神様が圭太郎に与えたもうた、たった一つの才能がまさか『おにぎりを上手く握る』やったとは・・・。

神様〜〜!手抜いたらんとって〜〜!!

(ちゃんと創ったげてほしかったな)