第310話 月光荘にて

沖縄の夜は更けていった。
そして僕たちは月光荘(というゲストハウス)にいた。
月光荘には前日から先に沖縄入りしていた面々が宿泊している。


※今回の沖縄行は9月14日、15日に行われた「VogueVogue × GoldenFruits ′13」(というイベント)にサヨナラバイバイズ出演のためでした。京都からも友人バンドがいっぱい出てました。


兄、圭太郎もその一人であった。
とりあえず外出中の圭太郎を待つ。
月光荘にはいろんな人がいる。
働いている人、働いていない人、沖縄の人、関西の人、東北の人、四国の人、日本人じゃない人・・・
いろんな人がいて、いろんな事情があって、
そしてみんな自由に楽しんでいる。
月光荘では夜な夜な宴会がくりひろげられている。
そんな皆さんの酒盛りにボクらも参加した。
そして、たまたま隣に座ったしょうた君(仮名)と仲良くなった。
しょうた君は北海道の大学生で卒業を間近にひかえて、
働く前にいろんな経験をするために旅に出た。
そしてこの月光荘に流れ着いた。
とても大事な時間を目一杯大事にしている彼は輝いていた。
そうしてるうちに圭太郎が帰ってきた。
「あ、しょうた君、あいつオレの兄貴やねん、昨日からおったと思うんやけど・・・」
「え!!?あの人??!松井さんのお兄さんなんですか??昨日からいましたけど・・・

あの人、アメリカ人ですよ?」


アメリカ人 ジャ ナイデスヨ〜)

いやいや、しょうた君、ムッチャ日本人やから!
確かにストリートファイター2みたいなルックスやが、
彼がわたしの兄である以上立派な日本人や、
立派かどうかはちょっと不安やけど、日本人にはちがいないから!
昨日も一緒に酒盛りしてたんやろ?
相当飲んだんか?昨日、
国籍認識できてないて、相当やで、ベロベロやん!
もう一回確認してきぃや、
しょうた君が圭太郎に喋りかけに行った。
そして、すぐに帰ってきた。
しょうたSAY(しょうたは言った)

「やっぱりアメリカ人じゃないですか〜〜」


(私 ハ アメリカ人 テスヨ〜)

滑舌(かつぜつ)〜〜!

圭太郎、滑舌ボロボロやった〜!
そうやった〜!
最早、日本語喋れてなかったか〜!
日本語上手な外人くらいのスキルやったか〜!
初対面の人に外人やと思われたら、
喋ってみて外人やと思われたら、
それはもう、外人やわ。


「軍の方かと思ってました・・・」

しょうたSAY(と、しょうたは言った。)