第336話 それぞれのメリークリスマス

人にはそれぞれのクリスマスがある。
家族で過ごすクリスマス。
恋人と過ごすクリスマス。
友人たちと過ごすクリスマス。
そして、

男3人で過ごすクリスマス。


(こっちに来なよ☆)

12月24日クリスマスイブ。
玉造はペヨーテ(というバー)。
男たちは夜ふけにやってきた。


木村くん。



よしきくん。



鶴田くん。



なんだか、すごく楽しそう。
なんでも今日は鶴田くんの誕生日だったらしくて、
3人でお祝いをしていたんだって☆
鶴田くんは、ペヨーテの常連で、
ペヨーテのマスターであるよしきくんとミーミーズというロックバンドをしている。
そして、鶴田くんはペヨーテに週7回来ます。

なんで、別々に住んでんだ?



(もう一緒に住みなさい)


ちなみに木村くんは、ミーミーズとは別によしきくんと一緒にセンチメートルズというバンドをやっています。
(3月に初ライブ予定。バイバイズも出ます。みんな来るんだかんな!)
ミーミーズは毎週火曜日の7時から2時間スタジオでリハーサル。
センチメートルズは毎週火曜日の9時から2時間スタジオでリハーサルをしている。
鶴田くんは、9時まで練習して、そして、飲みにいき、2時間ほど時間をつぶして、
よしきくんとペヨーテで落ち合う手はずになっている。
よしきくんはと言うと、木村くんと一杯やっつけて鶴田くんの待つペヨーテのドアを開ける。
木村くんと一緒に。
そんな三人は今日も一緒だ。


(そんな三人)

そして、そのゲームは突然始まった。

『今までで一番最安の時給対決〜〜!!』


(・・・クリスマスって知ってっか?)

・・・クリスマスイブだぞ、てめえら。

(わたしもエントリーさせていただいたわけですが。)

エントリーNo.1 松井洋介

高校一年生の時に隣町の鉄工所で鉄を熱して、ぺっしゃんこにしてました。
「はい」って言うのが難し過ぎて、
50歳くらいの工場長に「うんってなんやねん、うん言うな、クソガキ」って言われてました。
その返しに「うん」って言うてもうて、ネジ投げつけられました。

時給670円



エントリーNo.2 木村こうすけ

高校生の時に近所のラーメン屋で働いてました。
今でもラーメンは大好きです。
青森の重てぇ、曇天の空・・んだば、青空なんて、めったにね、
煮干しをんーと炊いてつくたラメン、うめんだ〜〜、
思い出すだぱ、おやっさんの大きな、んしろ姿・・・
いてぇことはしねぇ、いてぇことはしねぇ、ってのが口癖だったぱなぁ・・・
嫌だったら言え、嫌だったら言え、だども、んなこと、言えねえべ・・・嫌だ、嫌だ、なんて、言えね・・・
優しくしてけろ、うんと優しくしてけろって・・・
おやっさん・・・

時給590えん。



エントリーNo.3 よしき

おいら、中学の時新聞配達のバイトしてたのね、
中学生だからモノを知らないやんか、
給料とかそうゆうのもよくわからんやんか、
時給とゆうか、月給やったのね、
毎朝、雨の日も、毎朝新聞配ってたのね、
二時間くらいかなぁ、毎朝二時間配って、

月給1万円


(い、1万・・・?)

え?

え?ちょっと待って、ちょっと待って、
毎日2時間働いて、月に1万円?
毎日っていうのは、月〜金ってこと?
じゃなくて月一回の休刊日以外の毎日?
それで1万円?
月に約60時間働いて1万円ってことは・・・

時給166円やん。


(おかしいと思わなかったのか?)

おいら、給料日にカツアゲされたことあるんだよね・・・



※これは余談ですが、よしきくんは30歳過ぎてからカツアゲされたことあります。


みなさんはどんなクリスマスを過ごされましたか?
みなさんに神のご加護がありますように。
ファックユー。