2013-01-01から1年間の記事一覧

第309話 夏にタッチする方法  外伝『ひろしとのこと』

〜プロローグ〜みなさんはひろしという爺さんを覚えているだろうか。 お忘れの方はそのまま忘れておいたほうがいいと思うので今日の記事はスルーしてください。 知らない方も特に知る必要もないのでスルーしてください。 第204話『木村家のじいさん』 htt…

第308話 夏にタッチする方法  番外編『赤地蔵』

徳島の民間伝承として古(いにしえ)より伝わる妖怪『赤地蔵』。 我々の目の前にその姿を現したのは、徳島最終日であった。 村の古老より兼ねてより聞いていたものと寸分違わぬその姿に我々の体はかたくなった。 徳島で生まれ育った同行人もその姿を見るのは初…

第307話 夏にタッチする方法 其の2

徳島に朝がきた。昨夜十時頃に徳島入りしたボクたち。 今回の旅行はぺー(という人間)の実家にお世話になる。 昨夜3時頃までにはぺーの家のビールを飲み尽くし就寝。 (わたしにはゲームがある)そして朝がきた。 心配していた台風もどこかに行ったらしく青い…

第306話 夏にタッチする方法  その1

そして僕たちの夏は終わった。 二泊の徳島旅行を終えた車内にて。 車は大阪を目指す。 カーステレオが歌うブルーハーツ。『思い出はあついトタン屋根の上 アイスクリームみたいにとけてった』けつむらさん、ふないちゃん、ぺー、そしてボクを乗せた車が大阪…

第305話 帰ってきたけつむらさん 3

まずけつむらさんの近況報告から始めたいと思う。 (わたしがするのもなんですが) 7月7日、七夕の朝に東京行きのバスに乗り込み約1ヶ月。 けつむらさんは出稼ぎをしてたわけです。 その約1ヶ月で60万円稼いだらしいんです。 本気を出したけつむらさん、お…

第304話 帰ってきたけつむらさん 2

・・・けつむら、オマエ仕事中になにしてんだ? (けつむら・・・?)けつむらさんが仕事中に仕事をほったらかしてウロウロしてたので聞いてみた。 「いや、社販で買い物しようと思って・・・」 おいおい、まだ仕事終わってねぇんだぞ、 まぁ、いいや、何買…

第303話 帰ってきたけつむらさん

夏休み最終日。 うだるような暑さである。 今日は仲間たちと琵琶湖に繰り出す日である。 そしてあの男が帰ってくる日でもあった。 あの男、そう、尻村穴(けつむら あなる) が帰ってきた。 (帰ってきたんだから)[第303話 帰ってきたけつむらさん] (けつむ…

第302話 質問

お盆休みが明けるとジョブ場でキャンペーンが始まる。 そのキャンペーンの説明を任された。 そう、わたしはバイトリーダー松井。 【概要】店舗A限定のキャンペーン(わたしのジョブ場はネットショップ4店舗経営している)●商品を二点以上購入されたお客様に…

第301話 勘違い

キチュウさんがこう切り出した。「Twitterで『お気に入り』ってあるやん、あれがオレ納得いかへんのよね、オレ、ライブ告知するやんか、ほなちょいちょい『お気に入り』に入れられるねん、『リツイート』してほしいねんな、こっちは。拡散してくれよ〜」 (…

第300話 バンドやろうぜ

キチュウさんのバンドが今月の終わりの梅田ハードレイン公演を持って解散することになった。 ここは玉造ペヨーテ(というバー)。 スタジオ終わりでやってきたキチュウさんの様子がいつもと違う。 何かを決断した男の顔であった。「今日な、言うたんや・・・…

第299話 緒方のメモ帳

緒方(仮名に)アドバイスをした。 商品がなかなか覚えられない緒方にアドバイスをした。 「こうゆうちょっと手が空いた時間に商品を覚えなさい。」 その際はメモを取りつつしいや、 確かに色んな似たような商品多いし覚えずらいよな、 とくにこのアリミノのス…

第298話 事件

嫌な音がした。 それは何かを引き裂くような音だった。 嫌な予感がした。 そこに居たみなが一斉に一人の男を、見た。 その予感は的中していた。 一人の男がサプリメントの袋を引き裂いていた。「・・・緒方、オマエ・・・何してんだ?」 (お・・・緒方・・…

第297話 悲しい男

悲しい男のお話しです。 今日のお話しは恋に破れた男の悲しいお話しです。わたしのジョブ場の上司(女性です)が恋人と別れたのは2ヶ月ほど前の事である。 半年ほど同棲をしていた二人。 きっかけは些細な事であったように思う、 いや、きっかけなんてなかった…

第296話 拝啓、けつむらさん

拝啓、けつむらさん。 あなたが旅立って一週間になります。 玉造にも暑い夏がきました。 真田山のセミは今年もにぎやかです。 東京の暮らしはどうでしょう。 体調などは崩してはいないでしょうか。 厳しいお仕事、ご自愛くださいませ。 こちらの方はみんな元…

第295話 緒方画伯

出来心であった。 ちょっとした好奇心であった。 ちょっとした好奇心でわたしは彼に特技をたずねてしまったのだ。 そして、彼はこう答えたんだ。「絵はわりかし得意ですよ」 ※ここからの閲覧は皆様の自己責任でお願いいたします。【1】緒方(仮名)に熊を描か…

第294話 とある日曜日

とある日曜日、とある映像作品の撮影。 オファーをいただいたのは2週間ほど前だろうか。 オファーされた役は、壺売りのコジキ役。これは大変ですわ。 役づくりが至極大変。 松井とコジキなんてホンマ対極ですからね。 チャーハンとピラフくらいの位置におり…

第293話  BEST FRIEND  

けつむらさんが諸々の事情で東京に行くことになった。 と言っても諸々の事情でお金が必要になり出稼ぎに1か月半東京に行くだけなのでご心配なく。 やんごとなき事情である。 やんごとなき事情で今住んでいる部屋を出ることになり、 次の部屋を探すにあたり…

第292話 そして王将へ

とある木曜日。 留守番電話が残されていた。 「下山のマヒトやで、松井くん遊ぼうやぁ」 下山(というバンド)のマヒトだった。 珍しいなぁ、と思いつつ電話をかけ直す。 「どないしたん?今どこなん?」「千日前で日光浴してるねん」19時半である。 すっかり…

第291話 第二の男

今日は松井のジョブ場のもう一人の新人を紹介します。 若木くん(仮名)21歳。 緒方(仮名)があまりにもアホ過ぎて、緒方の陰に隠れていた存在やったんですが、 最近、頭角を現してきまして。 いや、彼はなんでもそつなくこなしますし、仕事の覚えも尋常…

第290話 毎日カレーでかまわない

今日は最近ボクがはまっているものを紹介したいと思います。 みうらじゅん的に言うところのマイブームってやつでしょうか。 それは大阪裏谷四にあるニドミ(というカレーバー)のカクテルカレーです。 カクテルカレー。 今自分が食べたいカレーを言うとその…

第289話 新人王 其の六 『緒方という名の十字架』

緒方、オレは今までオマエに関わってきた全ての大人に文句がある。緒方(仮名)が入社して三週間が経つ。 今まで人に対してこんなにむかついた三週間があっただろうか。 そしてこんなに人を想いやった三週間があっただろうか。 四日目で緒方を人間として扱う…

第288話 自転車の話

いやはや危惧していたことが現実になってきつつありますよね。 何がと申しますのも本町の駐輪事情でございます。 この三月に本町の放置自転車撤去区域が広がって有料の駐輪場が自転車であふれてえらいことになっていたんです。※こちらの記事に詳しく書いてま…

第287話 新人王 其の五  『新人王のタイプ』

緒方(仮名)に聞いてみた。緒方のさ、好きな女の子のタイプってどんなんなん? 年齢は?あぁ、そうなんや、自分より若い方がいいんや、 え?30代とか絶対無理? エエねん、それはいちいち言わんでもエエねん、 敵を作んな、敵を。 Kさん(リーダー)ムッ…

第286話 新人王 其の四  『新人王のスタートライン』

緒方(仮名)、わかるか? この前も言うたことやんか、 この作業のことは、こないだもその前も何回も言うてるはずやねん、 それでな、おれ聞いてんねんやん、 この作業初めてちゃうやろ? こないだも教えたやろ?って、 そのな、おれの質問に対してな、 「初…

第285話 新人王 其の三

なんでだろう。 なんでなんだろう。なんでオレってば、緒方(仮名)になつかれてんだろう。 我がジョブ場の新人、緒方(仮名)22歳、 とにかく様子のおかしいやつだ。 昨日は、ダンボールの組み立て方とテープの切り方を教えた。 緒方say(緒方は言った) 「・・・…

第284話 新人王 其の二

緒方(仮名)〜!オマエ昨日教えたこと全部忘れてるやないか〜!わたしのジョブ場に入ってきた新人緒方(仮名)とにかくダメなのだ。 毎日、三歩進んで八歩下がっている。 働きだして七日目の昨日の段階で35歩下がったことになる。 ちなみに、進む歩幅よりもだい…

第283話 悲しい写真

ここに一葉の写真がある。 先日京都で撮影された写真である。 この写真を見たけつむらさんが呟いた。 「茶飯事さんと写ってる写真、アレいいなぁ、茶飯事さんかっこいいなぁ、王子さまやわ・・・・」 えっと、 まず、シンプルにいきます。オカマか! (なんな…

第282話 新人王

わたしの昼間のジョブ場に困った新人が入ってきた。 これまでも困った新人さんはわりと多数いたのだが、 今回の困った具合はいつもとややおもむきを異にする。 緒方くん(仮名)22歳、無礼なのだ。 まず、仕事のセンパイであり、人生のセンパイでもあるわたし…

第281話 憧れのバーテンダー

暑い夏の予感がする。 わたしもこの夏が終わればペヨーテ(というバー)でバーテンダーをかじってまる二年になる。 毎週火曜日だけのなんちゃってバーテンダーであるからして、 至らない点が多々あることは自覚している。 しかし、至らないまでも来ていただい…

第280話 沢田ナオヤ

沢田ナオヤ。 彼と出会ったのは10年前、 今はなき梅田東通商店街の正宗屋(という飲み屋)であった。 暑い夏だった。 少し遅れてやってきた彼は息を切らせながら挨拶をはじめた。鳥の言葉で。 (はじめまして)「はじめま・・〇▽△□〇×□△モゴモゴモゴモゴ・・」…